予測市場運営会社カルシ、xAIとの提携発表を数時間で撤回 合意未了で混乱拡大

2025年5月20日、米国の予測市場プラットフォーム「カルシ」は、イーロン・マスク氏のAI企業「xAI」との提携を発表したが、わずか数時間後に撤回した。
正式な合意に至っていなかったことが理由であり、発表の拙速さに業界内外から波紋が広がっている。
カルシ、xAIとの「予測市場連携」発表を即日撤回
カルシは、選挙結果に関する賭けを合法的に提供する数少ない予測市場運営会社の一つである。
同社は20日午前、xAIと提携し、AIを活用して予測市場における情報提供を強化すると発表していた。
発表当初は、xAIの技術がカルシ上の賭け対象に関する情報分析を担う構想だった。
だが同日中にこの提携発表は撤回され、カルシの広報担当者は「発表内容の細部について、両社間で正式な確認が取れていなかった」と説明した。
ブルームバーグなど報道各社も、初報を削除する対応を行っている。
カルシのCEO、タレク・マンソール氏も当日中に「予測市場をさらに主流化する」との提携期待をX(旧Twitter)に投稿したが、その投稿は既に削除されている。
短期間での情報発信と撤回が目立ち、企業姿勢への疑問も生じている。
提携未了の拙速発表、カルシとxAI双方にリスクも
今回の混乱は、カルシとxAIのいずれにとっても信頼性の毀損につながる可能性がある。
予測市場という信頼性が重要な分野において、提携の誤報はユーザー心理に大きな影響を与える恐れがある。
カルシは昨年11月の米大統領選にて大きな注目を集めており、xAIとの連携は同社の技術的革新を象徴するはずだった。
しかし、正式合意を経ないままの発表は、戦略的な稚拙さと見なされかねない。
今後、カルシが信用回復のためにどのような対応を取るかが注目される。
一方、xAI側からは現時点で公式な声明は出ていない。
市場の期待と失望が交錯する中、両社は慎重な対応が求められる局面にある。