山古志DAOのNFT活用事例から、地方創生領域でのNFT活用方法を予想する
NFTを活用した地方創生のプロジェクトである山古志DAOは、地方創生を行う新たなコミュニティの事例として注目されています。山古志DAOでは、ブロックチェーン技術を活用し山古志村の課題解決のための施策の提案から実行まで一気通貫して行っています。また、意思決定プロセスをデジタル化及び透明化しています。今後、DAOというコミュニティが地方創生を行う主要な手段となる可能性もあり、その先駆者である山古志DAOについて記事を書きます。
山古志DAOとは
山古志DAOとは、人口800人の限界集落と呼ばれている新潟県山古志村の課題をDAOを用いて解決しようという試みであり、日本における地方創生のためのNFTの活用方法として注目されています。
また、「デジタルアート×電子住民票」としてのNFTで、グローバルなデジタル関係人口を創出することを目的としています。
大きな目的は、「バーチャル上に、人・モノ・金・情報が継続的に集まるコミュニティ「山古志」を形成し、現実の山古志地域にある地域課題の解決策や地域活性化を、地域住民とともに検討し実践し人口規模が小さくとも、価値観の共有・共感による多様で大きな地域を目指し、個性的な個人や団体が積極的かつ持続的に参画できる地域づくりを目指す」ものです。
山古志電子住民票(Nishikigoi NFT)を発行し、地域外からの参画を募り、デジタル関係人口を巻き込んだ地域づくりを実現しています。
山古志DAOが生まれた背景
新潟県山古志村は、過去中越地震の震災、コロナウイルスの蔓延により過疎化が加速していました。そのため、山古志村に興味を持ってもらう機会を作り、山古志村全体を盛り上げる施策が必要とされていました。そこで、NFTを活用してデジタル住民権を発行することで、海外を含む山古志村以外の方に山古志村を知って頂き、また盛り上げるための施策を行いました。
山古志DAOで行なっていること
山古志DAOではデジタル住民権の役割を持つNFTの販売や種々のイベントを行っているため、その内容について下記します。
NFTの販売
山古志DAOでは山古志電子住民票の意味合いを持つNishikigoi NFTを販売しています。「泳ぐ宝石」として有名な山古志村の錦鯉をモチーフにしたNFTとなっています。
2023年5月現在で、合計売上は112ETH、floor priceは0.1499ETH、所有者は1,078人と1,000人を超えています。
プロジェクト発足当初の山古志村の人口である800人をすでにデジタル住民の数は1,000人と上回っている状態です。
将来的にはデジタル住民を10,000人に増やすことを目標としています。
山古志村でのイベント
山古志村ではオンライン/オフラインのイベントを頻繁に開催しており、日々山古志DAOは盛り上げを見せております。
①山古志村の取り組みを説明するセミナー
NFTやメタバースといったWeb3の最新技術を駆使した地方創生を行う山古志地域の取組を学ぶセミナーを無料で開催します。主に下記内容を含むこれまでの山古志村が実際に行なってきた新たな地方創生の方法を発信するものとなっています。
・デジタル村民と始める「デジタル村民と始める「集落存亡」をかけた挑戦」
・山古志デジタル村民がメタバースの世界をご案内
②Jazzイベント
山古志リアル住民、山古志デジタル村民、山古志関係住民がジャズと和太鼓をコラボレーションさせる音楽イベントです。
③Twitterスペース
Nishikigoi NFTを購入した山古志住民がインタビュー形式で山古志住民になった経緯や現在の取り組み等をお話しするイベントです。
山古志DAOのメディア実績
2023年5月にはNHKに取り上げられる等まさにビッグプロジェクトとなっています。
古志の火まつりでは、高さ25mの「日本一のさいの神」にその年の新成人等が点火を行い、一年の無病息災・五穀豊穣・震災からの復興等、皆様の願いを祈願します。
また、イベントの様子は「メタバース山古志」および「YouTube(山古志official)」で配信予定であり、オンラインでも楽しむことができるものになっています。
NFTの活用による地方創生の可能性
山古志DAOに続けと、日本国内にて地方創生のためにNFTを活用する事例は今後増え続けると予想されます。
そこでNFTの活用により実現できることとそのために必要なことを下記します。
NFTを活用することにより実現できる可能性があること
①資金調達
地方創生のためのNFTをOpenSeaなどで販売することにより地方を盛り上げるための予算を確保することができます。
また、DAOのようなコミュニティを作り、その地方の課題を解決するための施策をその予算を使い実現することができるようになります。
②グローバルな交流
デジタル住民票のためのNFTをOpenSeaなどで販売することにより、日本国内に限らず海外の方が日本の当該地域のデジタル住民になることができます。これまで地方の方のみで解決しなければならなかった課題を様々な方の知恵を借りた上で課題解決が可能になります。
実現するために必要なこと
①NFT等の専門的な知見
NFTがどのような技術で成り立ちNFTで何ができるかを一人一人が積極的に理解していくことが必要になります。
そのためにはNFTやDAO等の新しく出てきた単語に臆せずまずは調べてみる、NFTを購入してみる、DAOに入ってみることが大切です。
②法整備等国を挙げた施策
NFTの可能性を国が発信し法整備を進めることで、地方がNFTを活用した取り組みをしやすくなります。
現在自民党デジタル社会推進本部Web3プロジェクトチームがホワイトペーパーを発行する等NFT周りの法整備進めているため今後NFTを活用した取り組みを増えていくと考えられます。
最後に
山古志DAOのように、NFTを活用した地方創生のプロジェクトは今後増えていくと予想されます。
DAOを成功させるためには、プロジェクト開始後もオンライン/オフラインを活用したイベントを定期的に実行していくことで、一過性のもので終わらず長期的に地方を盛り上げることに繋がると感じました。
DAOはどういうものかを学ぶためには何よりも参加することが一番なので、ぜひ山古志DAOのdiscordに参加してみて下さい。
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参考文献
- サムネイル及び見出しの画像は山古志DAO公式サイト、公式SNSより引用