アリババ、AIモデル「Wan 2.1」の一部のモデルをオープンソース化

2025年2月26日、アリババは最新の画像・動画生成AIモデル「Wan 2.1」をオープンソースで公開すると発表した。

この動きは、中国のAI市場における競争が激化する中で、多くの開発者や企業に新たな技術活用の機会を提供するものと考えられる。

「Wan 2.1」の詳細と技術的特徴

「Wan 2.1」は、アリババグループのTongyi Labが開発した画像および動画生成に特化したAIモデルだ。T2V-1.3B、T2V-14B、I2V-14B-720P、I2V-14B-480Pといったモデルが公開された。

特に「14B」は140億のパラメーターを持ち、動画生成モデルのベンチマーク「VBench」においてトップの成績を収めている。このモデルは、マルチオブジェクトインタラクションに優れ、複数のオブジェクト間の複雑な関係性を高精度で表現できるとされる。

開発者や研究者は、Alibaba CloudのModelScope、Hugging FaceのWan-AI、GitHub上のWan 2.1のソースコードを通じて、これらのモデルにアクセスし、活用することが可能である。

アリババが「Wan 2.1」の一部のモデルをオープンソース化した背景には、技術革新の促進とコミュニティ構築への意図がある。特に、中国のAI市場では、DeepSeekなどの新興企業が高性能なオープンソースモデルを発表し、業界に新たな活力をもたらしている。

このような状況下で、アリババもオープンソース戦略を強化し、AI技術の普及とイノベーションの加速を目指している。

今後の展望

今後、アリババの「Wan 2.1」のオープンソース化は、AI技術の普及とイノベーションの加速に寄与すると考えられる。特に、中国国内のAI市場では、DeepSeekなどの新興企業が高性能なオープンソースモデルを発表しており、競争が激化している。
アリババの戦略は市場シェアの拡大や技術的優位性の確保につながる可能性がある。

さらに、アリババは今後3年間で少なくとも3,800億元（約520億ドル）をクラウドコンピューティングとAIインフラの強化に投資する計画を明らかにしており、これによりAI分野での競争力を一層高めることが期待される。

ただし、競合他社も同様の戦略を取る可能性があり、市場の動向を注視する必要がある。