リクルート、スキマバイトサービス「タウンワークスキマ」の開発中止

リクルートは2025年3月24日、2024年秋に開始予定だったスキマバイトサービス「タウンワークスキマ」の開発を中止すると発表した。人材関連事業の戦略見直しの一環として決断された。
スキマバイト市場では、タイミーの上場やメルカリの参入が進んでおり、競争が激化している。
リクルートは今後も別のアプローチからの雇用マッチング機会創出を模索する姿勢を示している。

リクルートの戦略転換とスキマバイト市場の現状

リクルートが開発を進めていた「タウンワークスキマ（仮称）」は、短期間の労働機会を求める求職者と、急な人手不足に対応したい企業をつなぐプラットフォームとして計画されていた。
しかし、リクルートはグループ全体の人材戦略を再考する中で、本サービスの開発を優先事項から外した。

スキマバイト市場は近年急速に拡大しており、2024年3月にはタイミーが東京証券取引所グロース市場に上場した。また、メルカリも短期労働のマッチング事業への参入を表明しており、市場競争が一層激化している。
スキマバイトは即時性が求められる一方で、雇用の安定性や労働環境の整備といった課題も指摘されている。
リクルートはこのような市場環境の変化を踏まえ、より持続可能な事業展開を検討する必要があったとみられる。

※スキマバイト：短期間や単発で働けるアルバイトのこと。デジタルプラットフォームを活用して、求職者と企業が即時にマッチングできる仕組みが特徴。

リクルートの今後の方向性と人材関連事業の展望

リクルートは本サービスの開発中止について、求職者や企業の多様なニーズに対応するための戦略見直しの一環であると説明している。今後も人材マッチングの機会を提供する方針に変わりはなく、より効果的なサービスの構築を模索する。

同社はこれまでも「タウンワーク」や「リクナビ」など、求人・転職領域でのプラットフォームを展開してきた。スキマバイト市場への本格参入は見送る形となったが、雇用のデジタル化やAIを活用したマッチングの高度化といった新たな取り組みを進める可能性には変わらず含みを持たせている。

また、スキマバイト市場は今後も成長が見込まれるが、プラットフォームの健全性確保や労働環境の整備が重要な課題となる。

特に、「闇バイト」など悪用による違法行為のリスクを防ぐための対策が求められている。リクルートの決定は、市場環境の変化に即した戦略の一環と言えるだろう。