トークン化債権マーケットプレイス「Money Farm」

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「金銭債権を売却して早期に現金化したい企業等」と「将来受け取る予定の金銭より安い価格で権利購入することで、お金を増やしたい個人等」をマッチングすることを目的とした新しいサービスが発表されました。

マッチング対象が新しく今後も注目されていくと予想されますので、個人及び企業にどのようなメリットがあるかも踏まえ以下考察します。

目次

トークン化債権マーケットプレイス 「Money Farm」

プレスリリースより

 2023年12月28日、株式会社3rd Economyよりリリース予定の「Money Farm」が提供する世界観や仕組みなどを一部公開しました。
Money Farmとは、金銭債権をブロックチェーンの技術を活用することによりトークン化して販売するマーケットプレイスです。金銭債権とは「一定の期間や条件が履行されると金銭を受け取ることができる権利」を指し、Money Farmを通じて
「金銭債権を売却して早期に現金化したい企業等」と「将来受け取る予定の金銭より安い価格で権利購入することで、お金を増やしたい個人等」をマッチングすることを目的としたサービスです。

サービスの今後の見通しに関して、「Money Farm」のリリースは、2024年1月頃を目途に準備中です。
本フォームでメーリングリストに登録いただくと、サイトリリース時にご案内をさせて頂きます。

マッチングする対象が新しく、また日本は金融リテラシーがあまり高くはないと言われていますが、金融教育の面でも活用されることが予測されるのでサービス詳細を以下見ていきましょう。

Money Farm サービス概要

プレスリリースより

Money Farmとはインターネットを通じた金銭債権の売買により、「個人投資家等の資産運用」と「成長企業の資金調達」
を実現するマーケットプレイス型のサービスであり、ファームチケット(金銭債権)によってお金を増やす仕組みが実装されています。

Money Farmでは、「小口化」、「トークン化」した金銭債権を「ファームチケット」と総称し、個人等が少ない予算(1万円から)でも資産運用を行うことができるとともに、保有する金銭債権を表象するNFTをマイページで所有・閲覧することで、楽しみながら資産運用ができるサービスを目指しております。

ブロックチェーンの活用

プレスリリースより

Monery Farmは、 販売する各金銭債権をブロックチェーンの仕組みを利用してトークン化しています。

金銭債権を小口化し小口化した権利と1:1の関係になるトークンを発行し、金銭債権をイメージしたトークンをファームチケットとして受け取ります。ブロックチェーン上で取引の発生時期等を記録しており、購入後はファームとしてトークンデータを表示されます。金銭債権が消滅すると連動してトークンも消滅 (バーン) する仕組みとなっています。

農場との紐付け

プレスリリースより

Money Farmでファームチケットを購入すると、マイページ内の「あなたの農場」に金銭債権を表象するNFTである「ファーム(畑)」が配置されます。

 この、NFTは金銭債権に基づき金銭を受け取ることのできる予定の時期が近付くにつれ成長していく仕組みとなっておりますので、NFTが育ち、収穫を待つ楽しみを感じながら資産運用ができる仕様となっております。


個人及び企業それぞれのメリット

プレスリリースより

お金を増やしたい個人と金銭債権を売却して早期に現金化したい企業のマッチングという仕組みであるため、それぞれの参入メリットを記載します。

お金を増やしたい個人等向け

 将来受け取る予定の金銭より安い価格で権利購入することで、資産運用としての収益が見込めます(金銭債権の購入金額と受け取った金額の差額が運用益※1)。

 金銭債権の売買による資産運用は、通常まとまった資金が必要となるが、Money Farmであれば少額(1万円)から取り組むことができます。

 金銭債権がトークン化されることで、ブロックチェーン上に取引履歴等が記録される(※2)金銭債権を表象するNFTがマイページ上で表示され、NFTの畑を育てる感覚で楽しみながら資産運用が可能です。

※1. Money Farmで取り扱う金銭債権は都度社内で審査を行っておりますが、100%金銭債権に基づく権利が履行されると言い切ることはできません。権利が履行されない場合、損失が生じる可能性もございます。
※2.現時点では、ブロックチェーン上の記録のみで、第三者に対抗要件等を主張できるものではございませんので、その点はご留意ください。

金銭債権を売却して早期に現金化したい企業等向け

 将来的に売上を得ることが見込めるものの、事業の急成長等に伴いキャッシュフローの問題で事業拡大のアクセルを踏めない企業等が、インターネット経由で不特定多数の個人に金銭債権を売却できる新たな選択肢を提供することで資金調達方法の選択肢が広がります。

 創業間もない、決算書が赤字等の事情で資金調達が困難なスタートアップ企業等でも、信用力の高い企業等が債務者となる金銭債権を有していれば、これをMoney Farmで現金化することで資金調達が可能です。

 これまで金銭債権の現金化を行うという取り組みは、ネガティブな印象を持たれるケースも多かったが、Money Farmを活用して取り組むことで、資金調達を図りながら、自社の取り組みのアピール、ファンを形成するマーケティング目的にも活用することも可能です。

株式会社3rd Economy

株式会社3rd Economy 公式HPより

株式会社3rd Economyは、「CO-INNOVATION PLATFORM」をコンセプトに、挑戦者と共創するインフラとなり千の大義ある事業と大志ある事業家の創出を目指す株式会社Relicホールディングスより、ブロックチェーンを活用した新たな資産運用体験の創出をビジョンとして「Web3×FinTech領域」の事業展開を目的として設立されました。

設立の経緯/背景

 新NISAやジュニアNISAなどの制度拡充を契機に、多様な年代、資産運用経験を問わず資産形成機運の高まりつつあるものの、資産運用と聞くと「怖い」「難しそう」と感じる方々が多く、将来への不安を持ちながらも中々チャレンジできない方も多いと思います。

 また、現政権下において「新しい資本主義」の実現が推進されておりますが、多くのスタートアップ、中小企業等にとって事業のエンジンとなる資金調達の方法は未だ限られており、更なる資金調達方法の多様化を実現することは広く日本経済に資するものであると考えております。

 このような背景を踏まえ、株式会社3rd Economyはブロックチェーンのテクノロジー等を活用し、本格的な資産運用でありながらも楽しみながら無理なくトライできる仕組みの構築を行い、より多くの方が将来に向けた資産運用、資産形成にチャレンジできる世界を生み出すことを目指します。

事業の概要

 3rd Economyは、従来一部の法人間の取引に留まっていた「金銭債権の売買」のマーケットを個人にも解放し、トークン化債権のマーケットプレイスとしての提供を行います。

 「金銭債権」は聞き馴染みがない方も多いと思われますが、「金銭の給付を目的とする債権」であり、何らかの要件に基づき金銭を受け取ることができる権利のことを指します。一方、金銭債権の権利を有する方が、その支払いを受ける為の条件が満たされる前に、何らかの理由で早期に現金化したいという状況が発生するケースがあります。そのような場合、条件が満たされた際に受け取ることができる金銭より少し安い金額で債権を売買することで、債権を売った側は早めに現金を手に入れ、債権を買ったものは条件が満たされた際に買った金額より少し多くの現金を手に入れることができます。

 このような取引は、従来、法人間で生じるケースが多く、個人等が活発に取引に参加する機会が存在しませんでしたが、この「金銭債権」という現実の権利・資産をトークン化し、「権利を売ることで早期に現金を得たい方」と「権利を買うことでお金を増やしたい方」をマッチングするトークン化債権のマーケットプレイスを提供することで、より多くの方が金銭債権の購入を通じてお金を増やす仕組みに参加できる世界を生み出す世界を目指すとのことです。

今後の展望

ゲームと紐付けた「金銭債権を売却して早期に現金化したい企業等」と「将来受け取る予定の金銭より安い価格で権利購入することで、お金を増やしたい個人等」の新たな金融債権の売買は、単に各対象者が楽しみながら資産を増やすことのみならず金融リテラシー自体の向上に繋がると考えられます。

金融リテラシーの向上

日本では学校での金融教育が不十分であると指摘されており、多くの若者が金融知識やスキルを身につける機会を逃しています。また日本人はリスクを避ける傾向があり、株式や投資信託などリスクのある投資より、貯金や国債など安全な投資を好むことが多いです。これはポートフォリオの多様化やリスクの管理に関する知識が不足していることが原因の一つです。そこでこのように楽しみながら資産を増やしていける仕組みがあれば金融リテラシーも同時に向上させることができます。

ゲームを楽しみながら資産を増やす

金融教育というとしばしばお堅いイメージがありますが、それをゲームを楽しみながら学ぶことができ、さらに資産も増やせるとなるとユーザーも多くなりそうです。また、実際の資産ということで単なるシミュレーションに止まらず一定の緊張感を持ち学ぶことができるため、より楽しく感じられ、金融に対する興味や知識が深まることが予想されます。

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参考文献

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