Synology、Wi-Fi対応AIネットワークカメラ「CC400W」発売 高性能・手軽な設置で市場を狙う

Synologyは2025年3月21日、同社初のWi-Fi対応AIネットワークカメラ「CC400W」を発売した。日本国内での希望小売価格は約2万5800円となっている。
高画質撮影とAI機能を両立
Synologyが発売する新製品「CC400W」は、4MP(2560×1440)解像度・30FPSの高画質撮影に対応し、125°の広角レンズを備えている。HDR機能も搭載されており、光の強弱が激しい環境下でもクリアな監視映像を提供する。
さらに、高出力赤外線LEDを内蔵し、暗所でも最大10メートルの夜間視界を確保しているのも特長の一つである。暗所でも使用できることで、例えば監視などの用途での使いやすさが向上している。
これらに加えて、人物や車両の検知、侵入検知、自動追跡など高度なエッジAI機能を搭載しており、リアルタイムでの効率的な監視が可能となっている。
AIの使用によって、セキュリティ上の問題に対してより適切な対応が可能になることが期待できる。
CC400Wは2.4GHzと5GHz両方のWi-Fiに対応し、複雑な配線工事を行うことなく天井や壁、磁気固定など、多様な設置が可能だ。
設置の柔軟性と高度な撮影・AI能力を併せ持つこの製品は、小規模ビジネスや小売店舗でのセキュリティ対策に最適と言える。
CC400Wは屋外設置にも対応したIP65規格(※)準拠の防水・防塵性能を有しており、粉塵の侵入を完全に防ぎ、低圧の噴流水からも内部を保護する。屋外の駐車場や倉庫など、厳しい環境下でも安定した稼働が見込めるだろう。
また、Synologyが提供する監視ステーションアプリケーションとの互換性を持ち、専用アプリ「DS cam」を使ったリアルタイムの監視や映像管理も可能である。
競合製品に比べて若干価格は高めだが、Synology監視ライセンスが価格に含まれるため、コストパフォーマンスは優れていると考えられる。
※IP65規格:粉塵が侵入せず、あらゆる方向からの低圧の噴流水に対して保護される防塵・防水の国際的な保護等級。
今後の展望
Synologyは既存のNASや監視ステーションと連携させるエコシステムを構築済みである点が強みであり、今後はAIによる分析結果をNASで中長期に蓄積・活用するような「防犯データベース化」も期待される。
こうした統合管理の方向性は、家庭用のみならず、教育機関や小規模オフィス、商業施設などへの導入を後押しするだろう。
ただし、AIモデルの継続的な学習やセキュリティパッチの提供など、長期運用に耐えうる体制が維持されるかどうかも鍵を握る。
製品単体の性能だけでなく、アップデート体制やサポート体制を含めた総合的な運用設計が、AIネットワークカメラ市場における競争力の源泉となっていくはずだ。