ステーブルコイン規制強化へ　サークルCEOが米国登録義務化を提唱

サークル社のジェレミー・アレールCEOが、米ドルに連動するステーブルコイン発行者に対し、「米国での登録を義務付けるべきだ」と主張していることが、2025年2月27日にわかった。
この提言は、ステーブルコイン規制の強化を求める動きとして注目されている。

規制強化の必要性を訴えるアレールCEO

アレールCEOは、米国で事業を展開するドル建てステーブルコイン（※）発行者に対し、物理的な所在地に関わらず米国法に基づく登録を義務付けるべきだと主張している。
この背景には、テザー（USDT）のような規制を回避する発行者との不公平な競争環境を是正する目的があるようだ。

テネシー州のビル・ハガティ上院議員が提案した法案も、ドル建てステーブルコインの規制体制確立を目指すものであり、アレールCEOの提言と軌を一にしている。
業界内では、規制の透明性と一貫性を求める声が高まっており、アレールCEOの提案は他の企業や政策立案者からも支持されている。すべての企業が安全性と健全性のルールに従うべきだというのが、彼の基本的な考えであるようだ。

ステーブルコイン市場と今後の展望

ステーブルコインは、法定通貨に価値を固定したデジタル通貨であり、特にドル建てのものは市場で広く利用されている。価格の安定性と取引の効率性から、その重要性は増しているが、現在の米国ではステーブルコインに対する明確な規制が不足している状況だ。

今回のアレールCEOの提案は規制強化に向けた重要な一歩となるだろう。彼の提案が実現すれば、ステーブルコイン市場の透明性が高まり、投資家保護につながる可能性がある。
また、AIを活用した金融技術の発展にも影響を及ぼすと考えられる。規制に適合したプロジェクトへの投資が加速し、AIによる資産管理やリスク分析の活用が一層進むだろう。

一方で、規制が厳格化されすぎると、AIを活用した自動化プラットフォームの発展が阻害される可能性もある。そのため、規制当局とテクノロジー企業の対話が重要となり、AIの発展を妨げない形でのルール整備が求められるだろう。
最終的には、AIとステーブルコインのシナジーを活かし、金融市場の効率化と安全性向上を両立する方向へ進むのではないだろうか。

今後の法規制の動向と、市場への影響に注目が集まる。

※ステーブルコイン：法定通貨などの資産に価値を連動させた暗号資産。価格変動が少なく、決済や送金に利用しやすいのが特徴