セプテーニ・インキュベート web3事業部 責任者 斉藤さんへインタビュー |  デジタルアイデンティティの相互運用を可能にするためにブロックチェーンのデータ活用を加速させる ocean dict.とは【DID/VCs】

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今回は、ブロックチェーン上のトランザクションデータを分析しweb3マーケティングを支援するSaaS【ocean dict.】を提供する株式会社セプテーニ・インキュベート取締役 兼 web3事業部の責任者である斉藤さんへお話を伺いました。本記事は、ブロックチェーン上のデータの新たな利活用に興味がある方や、より成長できる環境で働きたい方にぜひ読んでいただきたい記事となっています。

目次

セプテーニ・インキュベート | 取締役 兼 web3事業部 責任者 斉藤さん

新卒で株式会社セプテーニに入社後、広告効果計測ツールのシステムディレクター、広告運用コンサルタント、スマートフォンアプリ・ゲーム開発、D2C事業などに従事。現在は株式会社セプテーニ・インキュベートの取締役及びweb3事業部の責任者として、ブロックチェーンを活用したデジタルアイデンティティの相互運用を可能にする社会の実現を目指し取り組んでいる

株式会社セプテーニ・インキュベート公式 HP:https://www.septeni-incubate.co.jp/

新規事業を創出する株式会社セプテーニ・インキュベート

株式会社セプテーニ・インキュベート公式 HPより

––––まず始めに、株式会社セプテーニ・インキュベートやセプテーニグループについて教えてください

株式会社セプテーニ・インキュベート(以下セプテーニ・インキュベート)は株式会社セプテーニ・ホールディングス(以下セプテーニ・ホールディングス)の100%子会社であり新規事業の創出に特化した会社です。セプテーニグループは1990年に創業後、人材事業からはじまり現在は主力事業であるデジタルマーケティング事業や、多数のインターネットメディアの運営、プロダクトの開発など幅広い事業を展開しています。現在グループ全体の従業員数は2000名以上です。

––––セプテーニ・インキュベートが設立された経緯を教えてください

セプテーニグループは元々インターネットと関係ない領域から事業を開始し、90年代後半から新規事業として立ち上げたインターネット広告事業が拡大し現在に至ります。WEB1.0からはじまり、スマートフォン・ソーシャルメディアの波となったWEB2.0を経てデジタルマーケティングやメディアプラットフォーム事業の領域に拡大をしていきました。

そうした新規事業にトライし続ける役割としてセプテーニ・インキュベートが存在しています。

そして昨今、セプテーニグループの中でもエンターテインメント事業においてNFTの活用がはじまり、クライアント企業からもNFTを活用したいという話が多くなってきたため、時代の流れと世の中のニーズを汲み取りweb3事業部を設立いたしました。

––––世の中のニーズを汲み取り事業開発をしていくための会社ということですね

はい。そのため、セプテーニ・インキュベートはweb3に限らず新規事業を創出しています。社内起業家を輩出することを目標として新規事業プランコンテストを毎年運営しており、審査員として外部のベンチャーキャピタリストの方もお呼びし、入賞者は希望に応じて実際に事業を立ち上げることができます。これまでセプテーニグループの新規事業としては、デザイナーの就職・採用のマッチングプラットフォーム「ViViViT」を提供するビビビットや社会貢献プラットフォーム「gooddo」を運営するgooddo、web3領域に取り組む3RD GEARなど様々な新会社が立ち上がっています。

もともと私は新規事業担当者をメンタリングするポジションについていたのですが、ブロックチェーンへの関心の高まりとともに自ら挑戦したいという思いからweb3事業部を立ち上げました。

ビビビットコーポレートサイト:https://vivivit.co.jp/
gooddoコーポレートサイト:https://gooddo.jp/
3RD GEARコーポレートサイト:https://3dgr.co.jp/

ブロックチェーン上のデータの利活用を進めるweb3事業部

セプテーニグループおけるweb3の取り組み事例より

––––web3事業部のミッションやビジョンについても教えてください

web3事業部では、ビジョンとして「SSI (Self-Sovereign Identity / 自己主権型アイデンティティ) 型社会の実現に向けてデジタルアイデンティティの相互運用を可能にする」ことを掲げています。ブロックチェーン上の実績証明を、ユーザーが自身のデジタルアイデンティティとして保有し利用できる社会を実現したいと思っています。

ミッションは、「デジタル公共財 (≒ブロックチェーン) のデータ活用を加速させる」ことを掲げています。ユーザーのトランザクションをわかりやすい形に加工し、データの利活用を進め、貯めた実績証明を元にユーザーがよりメリットを享受できる社会を創ることを目指しています。

––––ミッションやビジョン達成のため、どのような取り組みをされているのでしょうか

アクションとしては下記2つを進めています

① トランザクションデータを生み出す:ブロックチェーン上に刻まれるデータ総量を増やし、 SSI型のデジタルアイデンティティの形成を支援
②トランザクションデータを評価する:ブロックチェーン上に刻まれたトランザクションからデジタルアイデンティティを評価し、積み重ねた活動与信から恩恵を受けられる座組を提供

トランザクションデータを評価することが当事業部のコアな価値と考えておりますが、ブロックチェーンにおける実績証明的なトランザクションデータボリュームは多くありません。

こういったプロセスで発行されたトランザクションからブロックチェーン上に刻まれた各ユーザーの実績証明を企業が見やすい形にデータクレンジングし、それを元にユーザーがインセンティブを受け取れるモデルを形成し、当該プロジェクトのコミュニティも活性化させるようなサイクルを構築しています。

ブロックチェーン上のデータを生み出し評価する一貫した仕組み

プレスリリースより

––––web3事業部の具体的な事業内容についても教えてください

提供しているサービスは大きく3つです。

1つ目がNFTなどweb3領域にこれから進出される事業者の方々と事業共創を行うweb3 studioです。事業サービス企画のコンサルティングからシステム開発、 トークンの取り扱いにともなうバックオフィスの構築サポートなどフルスタックで支援を行っております。

2つ目がNFTやブロックチェーンゲームなどすでにweb3領域に参入している事業者に向けたマーケティング支援を行うweb3 Marketingです。コミュニティ育成のための戦略立案からロードマップ作成、X(Twitter)やDiscordの運用ディレクションまで手掛けています。

3つ目がweb3プロジェクト運営者のためのマーケティング SaaS である「ocean dict.」の提供です。GiveawayやWhite Listの申込みフォームである web3 formと、トークンホルダーの分析ダッシュボードであるweb3 analyticsの2つの機能を提供しています。

––––「ocean dict.」の機能について詳しく教えていただけますでしょうか

1つ目の機能である web3 formは、Giveaway / Airdrop / Allowlistなど、イベントの実施をサポートするための様々な機能を実装するweb3に特化した申し込みフォームです。フォーム入力の自動化や申し込み条件の自動確認をはじめ、プロジェクトの実施者と申し込みをする参加ユーザー双方がそれぞれ少ない工数で利用できる各種機能を構築しています。

2つ目の機能はトークンホルダーの分析ダッシュボードであるweb3 analyticsです。フォームより申し込みのあったユーザーのトランザクションの回数や保有NFT・SBT等を分析し、BOTを排除しながら実績証明がある高エンゲージメントなユーザーを見出すことができます。

––––web3データを効果的に分析し利活用しているのですね

はい。そのため、現在はトランザクションが多くデータの利活用に向いているブロックチェーンゲームをメインに分析を進めています。ブロックチェーンゲーム全体の分析に加え、wallet単位で詳細な分析が可能であることが強みで、web3プロジェクトにおけるマーケティングツールとしてご利用いただいております。

––––web3事業部のチームのメンバーについて教えてください

web3事業部は約20名のメンバーで構成されており、約半分が開発、もう半分がBizDev兼マーケターです。新卒入社の社員は2名のみで、その他はIT系やコンサルティング、マーケターなど様々なバックグラウンドを持った方がいます。

雇用形態については、正社員、業務委託、インターンありのアルバイトなど様々ですが、基本的にはフルコミットしていただける方が多いです。

一緒に働くBizDev・マーケターとエンジニアを募集中

株式会社セプテーニ・インキュベート公式 HPより

––––採用したいポジションについて教えてください

BizDev・マーケター職を募集しています。業務内容としては、企業のweb3進出支援コンサルティング及び進出後のマーケティングのサポートです。また、想定人材としてはweb3業界にいる方や企画職で業務を行った経験がある方です。

特にマーケティング業務の部分の募集は優先度が高く、web3ならではの新しいマーケティング手法を一緒に考えてくれる仲間を募集しています。 そのため、web3に詳しくなくてもマーケティングの上流設計を担当されていた方やマーケティング代理店経験やクライアントへの企画営業の経験のある方はぜひ応募していただきたいです。

––––他には採用したいポジションはございますでしょうか

他はエンジニア職を募集しています。スマートコントラクト開発もございますが、集めたデータの活用のためのエンジニアリングがメインとなっています。特にweb3では事業者やサービスを超えて活用できるデータが膨大なため、ビッグデータを取り扱った経験のある方はぜひ応募していただきたいと考えています。web開発の方も企業での開発経験があれば、web3の知識をインポートすることで問題なくオンボーディングできると考えております。

また、BizDevもエンジニアも共通していますが、多くのドキュメントが英語であるため、最低限の英語スキルが必要となってきます。

––––採用する際に大事にしていることはございますですしょうか

何か一つの領域に特化した専門人材であるエッジ人材を採用することを心がけています。web3領域で成果を出すためには様々な角度から物事を見ることができる多様性が必要だと考えていますので、考え方が均一化しないためにもエッジ人材の採用を大事にしています。

また今後はweb3はインフラになっていくため、web3以外の業界におけるマーケティングメソッドや開発力等のスキルや経験を持っていることも重要だと考えています。

あとは好奇心を持っていることはとても大事です。仕事一つとっても、能動的か受動的かで吸収効率が大きく変わりますし、好奇心の強い人を集めると組織も勝手に盛り上がると感じています。

実際に現在在籍しているメンバーも、専門領域は異なりますが、各々好奇心が強く自発的にリサーチすることができる方々が集まっています。

ぜひ、web3のインフラを創っていく一員へ

株式会社セプテーニ・インキュベート公式 HPより

––––今後の展望について教えてください

今後もweb3の技術をユーザーが当たり前のように使用できるようにするために、インフラを構築していきます。これまでのデータの利活用の方法ではあまりエンドユーザーには恩恵がありませんでした。web3ではデータが全てブロックチェーンに行動履歴として残ります。そのデータをユーザーが自己主権型で実績の証明として活用することができるようになる社会を実現していきたいと思っています。

––––最後に読者へのメッセージをよろしくお願いします

web3は今後インフラ化していくと考えています。秘密鍵の管理や種々のブロックチェーンの使用におけるUXは改善され社会実装されていくでしょう。その中で我々はデジタルアイデンティティの相互運用を高めていくために、ブロックチェーンのデータ利活用にコミットしていきます。このビジョンやミッションに共感してくださる方はぜひお声がけください

また従来のマーケティングや開発等のスキルや経験もweb3業界で活かせると思いますので、現在web3業界にいない方でもweb3に興味のある方はぜひ応募いただけると幸いです

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