SBINFT Mits、eスポーツチーム「QT DIG∞」に導入 ファン施策にNFT活用

SBINFTは2025年5月16日、同社のNFTマーケティングプラットフォーム「SBINFT Mits」が、QTnetとその子会社・戦国が運営するeスポーツチーム「QT DIG∞」のファン施策に採用されたと発表した。NFTを活用したファンエンゲージメント強化が狙いで、日本国内のeスポーツ界でもWeb3技術の実装が進みつつある。
SBINFT Mitsが「QT DIG∞」のNFT施策に本格導入
「SBINFT Mits」が、QTnet傘下のプロeスポーツチーム「QT DIG∞(キューティー ディグ)」のファンマーケティング施策に正式採用された。
QT DIG∞は、九州電力の100%子会社QTnetと、その子会社である戦国が共同で運営するeスポーツチームであり、近年ファン層の拡大とエンゲージメント強化を目指してNFT(※)活用に注力している。
SBINFT Mitsは、NFTを通じてファンの可視化から育成、獲得までをワンストップで実現できる点が評価され、今回の採用に至った。
SBINFTによれば、同プラットフォームには12種類の機能が搭載されており、NFT配布に加え、コミュニケーションツール「Discord」との連携機能やイベント開催機能などを活用できるという。
今後は、QT DIG∞のファンコミュニティ内で、イベントの開催や限定コンテンツの配布などを通じて、ファンとの接点を拡充し、双方向的な関係構築を図る方針である。
※NFT(Non-Fungible Token):ブロックチェーン技術を用いて唯一性を保証するデジタル資産。デジタルアイテムの所有権を証明可能であり、ゲームやファンコミュニティなど多様な活用が進んでいる。

eスポーツとWeb3の融合がもたらす可能性と課題
今回の導入により、eスポーツ業界におけるNFTの活用が現実的な施策として一段と前進することになる。
従来のファン施策がSNSやリアルイベント中心であったのに対し、NFTを介した接点はデジタルかつ継続的であり、ファンごとの熱量や貢献度を可視化できる点が大きなメリットである。
特に、eスポーツはZ世代を中心に熱狂的なファンを抱える分野であり、デジタルネイティブ層との親和性が高い。
NFTを用いた限定アイテムの配布や参加型イベントは、コミュニティの活性化とロイヤルファンの定着に効果的とされる。
一方で、NFTに対する一般的な認知度や信頼性は、依然として課題を抱えている。ブロックチェーンに不慣れなユーザーに対して、使いやすいUI設計やサポート体制を整える必要がある。
また、NFTの価値が過剰に投機的に扱われるリスクもあり、企業側には慎重な設計と運用が求められる。
SBINFTは、今回の事例を皮切りに、エンタメ・スポーツ分野へのさらなる展開を目指すとしており、NFTがファンビジネスの主流ツールとなるかどうか、今後の動向が注目される。