【Salesforceがweb3参入】CRM市場の王者が提供するweb3サービスの正体とは?
この記事では世界的な大企業であるSalesforceのweb3参入について解説します。既存企業がどのようにweb3を捉えていて、どんな展望を描いているのかを学ぶことで、自社のweb3活用の参考になるかもしれません。
Salesforceがweb3参入
BtoB業界の中でも世界トップ企業の1つ「Salesforce」がweb3への参入を発表しました。より厳密に言えば、参入の発表は昨年され、クローズドで検証が実行されていました。そして、2023年3月に正式のweb3機能をリリースしました。
ご存知の方も多いと思いますが、まずは改めてSalesforceという企業についておさらいします。
Salesforce とは?
Salesforceは、1999年に設立されたアメリカのIT企業です。同社は、法人向けのソフトウェアを開発し、提供しています。その中でも特に有名なのは、CRMソフトウェアであり、世界中の企業が利用しています。
Salesforceは、企業向けのクラウド・コンピューティングの先駆者であり、そのソフトウェアは、顧客管理、販売管理、マーケティング、カスタマーサービス、コミュニティ管理など、様々な業務に使用されています。同社のソフトウェアは、モバイルデバイスやソーシャルメディアなどの新しいテクノロジーを活用し、顧客とのコミュニケーションを最適化することができます。
既にグローバル企業となっており、世界中にオフィスを持ち、従業員数は約7万人を超えます。Fortune 500にランクインしており、市場価値も高い企業として知られています。また、Salesforceは、環境に配慮したビジネスを行うことを目的とした「1-1-1モデル」と呼ばれる取り組みを行っています。これは、Salesforceの製品、資源、時間の1%を、慈善活動に寄付するという取り組みであり、社会的責任を果たしている企業としても知られています。
では、そんなSalesforceがリリースしたweb3サービスについて見ていきます。
web3プロダクトの機能とは?
Salesforceがリリースしたweb3サービスを端的に言えば「web3版のCRM機能」です。
CRM機能を提供する世界No.1企業であるSalesforceが自社サービスの1つにweb3を活用してCRMを実現する機能を追加しました。より具体的に言えば、下記3つのことがプロダクト内で実施可能です。
- NFTの発行、配布、管理
- トークンゲートマーケティング(顧客が保有しているNFTに応じて最適な案内を送付可能)
- 既存のCRMツールにあるWeb2.0データと連動させたデータ管理やマーケティング
つまり、Salesforceという会社が今まで行っていた顧客のデータ管理や最適なマーケティング(CRM機能)を強化する形でweb3機能が実装されたということです。
チェーンにはイーサリアムとポリゴンを採用しています。上記のSalesforceの説明にも書きましたが、Salesforceは以前より環境問題等の社会問題に関心が高い会社として知られているので、環境負荷の低いPoSを採用しているブロックチェーンを採用したと発言しています。
正式リリースされているので、現時点でどの企業でも利用することが可能です。その価格はこちらになっています。データの呼び出しとNFTの発行でその都度料金が発生する従量課金制になっています。
CRMとしてのNFT機能の展望は?
では最後に、展望を考察します。
Salesforceはweb3への参入理由をweb3機能提供を発表するブログの中に記載していました。そこから一部を抜粋&要約して紹介します。
Web1.0が情報への民主化されたアクセスに関するものであり、Web2.0がトランザクションと双方向通信の促進に関するものであった場合、web3はよりパーソナライズされたデジタルエクスペリエンスの実現に関するものです。web3時代には、人々が自分のデータとデジタル ID を読み取り、書き込み、所有できるようにすることで、インターネットへの参加方法を変える力があります。NFTは、個人のデジタルIDの一部です。
https://www.salesforce.com/news/stories/web-3-insights/
この文章の前に、顧客に信頼されるデータ管理の方法としてweb3技術は素晴らしいと触れていましたが、それよりもCRMとしてNFTを組み込む理由はまさにここにあると感じています。
つまり、SalesforceはあらゆるタッチポイントでNFTを配布することで、よりパーソナライズされた体験を顧客に提供できるようになると信じています。だからこそ、CRM機能の充実のためにNFTを導入したわけです。
事実、クローズドで1年ほどテストしていた際に、ブランドと顧客の関係性がより近づき、エンゲージメントが向上する事例が多く見られたそうです。クッキーの制限やターゲティング広告の規制によって、顧客データの収集が困難になってきている中で、顧客がデータを所有している状況でパーソナライズな案内を届ける手法がNFTを活用したCRMというわけです。
個人的にも、この領域の可能性は非常にあると感じています。
web3を活用したロイヤリティプログラムは数多く生まれていますし、CRM市場の王者がいち早くNFTに参入してそのような体験を顧客に提供していることも、その仮説を裏付ける根拠にもなります。
引き続き利用事例を含め、この領域に注目していきます!
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参考文献
Connect Web3 with the world’s #1 CRM
Salesforce Web3 Aims to ‘Push the Industry in the Right Direction’