Perplexity、企業向けAI検索サービス「Enterprise Pro」を日本で提供開始

2025年3月13日、米国のAI検索サービスを提供するPerplexityは、企業向けの新たなAI検索サービス「Enterprise Pro」の日本市場での提供開始を発表した。本サービスは、Web上のリアルタイム情報と企業内データを組み合わせ、精度の高い検索結果を提供する。
データの保護やセキュリティ機能も強化されており、企業の業務効率化を支援するツールとなることが期待される。
AI検索の進化と「Enterprise Pro」の特徴
Perplexityの「Enterprise Pro」は、従来のAI検索を進化させ、リアルタイム情報と企業内データを統合する仕組みを採用している。
Web上の最新情報を収集し、利用者に最適な要約を提示することで、迅速な意思決定を可能にする。
さらに、情報の出所を明示し、追加の質問を提案することで、検索の透明性と精度を高める。
本サービスの特徴の一つとして、企業独自のデータと外部データの組み合わせが挙げられる。企業内のデータ参照が可能になり、金融データベース「Crunchbase」などの外部データソースを利用する選択肢も提供される。
これにより、企業は業務に必要な情報を一元的に管理できるようになる。
セキュリティ面でも高度な対策が施されている。企業がアップロードしたデータはAIの学習に利用されることはなく、プライバシーが確保される。また、プロンプトの保持期間の設定や強制削除機能、シングルサインオン(SSO ※)といったセキュリティ管理機能も搭載されており、企業の要件に応じた運用が可能となる。
※シングルサインオン(SSO):複数のシステムやアプリケーションに対し、一つの認証情報でアクセスを可能にする仕組み。セキュリティの向上や利便性の向上を目的として導入される。
企業の業務効率化と市場への影響
「Enterprise Pro」の導入は、企業の情報検索のあり方を大きく変える可能性がある。リアルタイム情報と企業データを統合することで、従来の検索では得られなかった洞察を迅速に引き出せる。
特に、金融や市場分析、リスク管理など、即時性が求められる業務においては、大きな利点となるだろう。
Perplexityは、AIモデルの選択肢を提供しており、ユーザーはOpenAIやAnthropicのモデルを利用できる。また、一部のモデルでは「推論」や「DeepResearch」が可能だ。
価格については、Enterprise Proの利用料は従業員1人あたり年間400ドルからとなっており、日本円での価格は近日中に発表される予定だ。
今後、Perplexityは日本市場での展開を強化し、さらなる機能追加やローカライズを進めるとみられる。
企業がデータを活用しやすい環境を提供することで、日本企業のAI活用が加速する可能性がある。