オロパス、AIでSEOライティングを革新 「パスカル」に記事構成案生成機能を追加

2025年4月4日、SEOツール開発企業オロパスは、自社製品「パスカル」にAIを活用した記事構成案生成機能を追加したと発表した。4月3日にユーザーへの提供を開始した。
「構成力」を武器に、AIがライターの作業効率を後押し
SEOツール「パスカル」は、オロパスが開発・提供するキーワード調査や競合分析を得意とする国内製のSEO支援ツールだ。これまで多くのマーケティング担当者やコンテンツライターに支持されてきたが、今回新たにAIを活用した記事構成案生成機能が加わったことで、ツールの実用性がさらに高まった。
新機能は、ユーザーが入力したキーワードやテーマに基づき、関連情報をAIが自動的に抽出・分析し、見出し構成の草案を提示するというもの。構成案には検索エンジン上での可視性や関連性が意識されており、SEOに強い記事作成の土台として機能するよう設計されている。
人間とAIの協力で価値あるコンテンツを生むために、あえて全文を生成しないようにしたという。
最大の特徴は、その即応性にある。従来はライター自身が行っていた情報の取捨選択や論理的な構成設計といった作業を、AIが数十秒で代行する。
これにより、ライターは執筆そのものに集中できるようになり、短時間で高品質な記事をアウトプットする体制が整う。
また、この機能の実装により、パスカルは競合ひしめくSEO市場で差別化を図る狙いもあると見られる。オロパスは「AIが提案する構成案を起点に、より戦略的なコンテンツ制作が可能になる」としており、すでに複数の中小企業や個人事業主が試験導入を開始しているという。
中小企業に広がる活用期待 生成AIとの融合で新たな制作体制へ
AIを活用した記事構成案の自動生成は、特に人手や時間に制限のある中小企業や少人数のマーケティングチームにとって大きな恩恵となる。
これまで企画から執筆、SEO最適化までを一手に担っていた現場では、構成案の自動化によって業務の効率が大きく向上すると考えられる。
ユーザーにとってのメリットは時間の短縮だけではない。
AIによる提案は、網羅性やトピックの関連性を担保しやすく、検索上位を狙うための骨組みとしても有効に機能する。
これにより、従来は経験や知識が必要だった「構成力」がツールによって補完され、初心者でも戦略的なコンテンツが制作可能になる。
一方で、競合他社も同様のAI機能を導入し始めており、SEOツール市場全体が次の段階に突入したとも言える状況だ。ChatGPTやGeminiといった大規模言語モデルの活用を背景に、AIの導入競争は今後も加速する見通しである。
オロパスは今後、構成案の精度向上や業種別テンプレートの提供など、さらなるアップデートを計画しているとされる。
AIと人間の役割を再定義しながら、より実用的な制作フローの構築が期待される。