オペラがAI搭載の新ブラウザー「Neon」発表 受動から能動へ、ネット利用に革命の兆し

2025年5月28日(現地時間)、ノルウェーのOpera Softwareがエージェント型ブラウザー(※)「Neon」を発表した。AIを活用し、ユーザーの代わりにタスクを実行することで、従来のブラウザーを能動的なデジタルアシスタントへと変貌させる。
AIがウェブ操作を代行 Neonが描くブラウザーの未来像
Operaが新たに発表した「Neon」は、従来のブラウザーの枠を超えたエージェント型の次世代ブラウジング環境である。最大の特徴は、AIがユーザーの意図を理解し、検索や入力作業などのウェブ上の定型タスクを自動で遂行する点にある。
Neonは、フォーム入力、ホテル予約、オンラインショッピングなどの反復的作業をAIが肩代わりするほか、ユーザーがオフラインになっても作業を継続できるという。
従来のブラウザーでは“命令を出す”のが前提だったが、Neonは“先回りして提案・実行する”存在へと進化する。これは、クラウド上の仮想マシン内で動作するAIエージェントにより実現されており、タスクの継続性と処理効率を大幅に高めている。
Operaが「Neon」という名称を使うのは初めてではないが、今回は単なる実験的UIの試みに止まらない。AIを中核とした本格的な製品展開として位置づけられており、ユーザーがAIと協働してタスクをこなす未来を提示している。
同社のシニアAIプロダクトディレクターであるHenrik Lexow氏はNeonについて、「エージェント型ブラウジングの次の章をコミュニティーとともに形作るための共同プラットフォームと見なしている」と語っており、オープンな開発とユーザー参加型の進化を志向していることが明らかになった。
※エージェント型ブラウザー:AIがユーザーの意図を汲み取り、自律的にタスクを遂行する機能を備えた次世代ブラウザー。従来型のユーザー操作中心のインターフェースとは異なるアプローチを取る。
エージェント型AIの浸透で変わるネットとの向き合い方
Neonの登場により、ブラウザーは単なる閲覧ツールから、ユーザーと共に考え、行動するパートナーへと進化するだろう。AIが代行することで、作業効率が向上し、情報収集や意思決定のスピードも大きく変わると見られる。
その一方で、AIに業務を任せることによるリスクも見過ごせない。例えば、AIエージェントが不正確な情報をもとに誤った判断を下すケースや、プライバシーに関する懸念などが考えられる。
クラウド上で稼働するAIが個人データを扱う際の透明性と安全性が問われる場面も増えるだろう。
また、Neonが提示するようなマルチタスクAIは、今後のWeb3サービスやデジタルツールの設計思想にも大きな影響を与えると考えられる。従来のアプリケーションの枠組みを超え、サービス同士がAIを介してシームレスに連携する環境が加速すれば、ビジネスのスピードはさらに上がる。
現在はリリース前であり、Operaは公式ウェブサイト上で通知を希望するユーザー向けにウェーティングリストの登録を受け付けている。正式な公開日が明かされれば、AIを活用した能動的なブラウジングという新たな選択肢に、注目が一気に集まることになるだろう。
Opera Neon:https://www.operaneon.com/