「メタバース役所」でAI相談サービスの実証開始 大日本印刷、日本加除出版、Hexabaseが協業

2025年3月11日から25日まで、大日本印刷株式会社(DNP)は、日本加除出版株式会社および株式会社Hexabaseと協力し、メタバース空間におけるAI相談サービスの実証を実施する。
この取り組みは、家庭や離婚に関する悩みを持つ生活者の心理的抵抗を軽減し、行政サービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することを目的としている。
プロジェクトの背景とAI相談サービスの詳細
近年、国内の公的機関への相談件数は増加傾向にあり、特に離婚に関する相談は、相談先がわからない、周囲に知られたくないといった理由から、第三者に相談しにくいという課題がある。
日本加除出版が提供する新サービス「離コンパス」では、離婚に関する専門知識を備えたAIカウンセラーが24時間365日いつでも、人目を気にせず気軽に、深刻な悩みも相談できる体験を提供しており、これまで1000人を超える利用者のお悩みに寄り添ってきた。
DNPは、行政サービスのデジタルトランスフォーメーションを推進するために、AI技術を活用した新しい相談サービスを導入し、今回の協業に至った。
この実証事業では、DNPが運営する「メタバース役所」に、法律に関する専門知識を持つAIアバターが相談員として配置される。
相談者は、スマートフォンやパソコンのブラウザから簡単にアクセスでき、匿名で相談が可能である。相談内容はプライバシー保護のため、他者に見えないように配慮されている。相談時間は1回最長1時間で、実施期間は2025年3月11日から25日までとなっている。
期待される効果と今後の展望
このプロジェクトは、生活者が抱える悩みを整理し、適切な行政サービスを紹介することで、心理的な支援を提供することが期待されている。また、行政サービスの向上と職員の負担軽減にも寄与することが見込まれている。
DNPは、今回の離婚や家庭の悩み以外で生活者が抱える潜在的な悩みや不安・課題等に対しても、AIアバターとの相談による早期の顕在化と適切な対応による負担の軽減や解決を、メタバースの活用を通じて支援していく予定である。
さらに、「メタバース役所」で、相談とともに事務処理の機能を付加して高度化した「AI職員(アバター)」を提供予定であり、住民サービスの向上とともに、自治体や支援団体の職員の負荷軽減と人員減少への対応などの課題解決に取り組んでいく。