米Meta、AIアシスタント「Meta AI」を単体アプリとして提供開始 ChatGPTやGeminiに対抗

米Metaは2025年4月29日(米国時間)、AIアシスタント「Meta AI」を単体アプリとしてリリースしたと発表した。すでにApp StoreとGoogle Playストアでダウンロード可能だが、日本語には未対応であり、日本国内の利用者にとっては今後の展開が注目される。
ChatGPTやGeminiに続き、Metaも単体アプリを投入 機能とUXで独自色を打ち出す
Metaが提供するAIアシスタント「Meta AI」は、昨年からInstagramやMessenger内で限定的に提供されてきた。しかし今回、米国などの一部市場でスタンドアロンのアプリとして正式に登場し、OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiと直接競合する形となった。
本アプリは、テキストおよび音声入力に対応したチャット機能に加え、リアルタイムのWeb検索を可能にする情報取得機能を備えている。
さらに、画像の生成および編集機能も統合されており、ユーザーが独自のビジュアルコンテンツを作成することができる点が特徴だ。
また、「Discover」フィードというタイムライン型のインターフェースが導入されており、他ユーザーがどのようにMeta AIを活用しているかを視覚的に確認できる。共有されたプロンプト(AIに与える指示文)は、ユーザー自身がリミックスして再利用することが可能で、インタラクティブな創作体験が提供されている。
さらに、Metaが展開するスマートグラス「Ray-Ban Meta」とも連携しており、「Meta View」アプリ経由で会話履歴をハンドオフできる仕組みが実装されている。
これにより、AIとの対話はスマホとウェアラブルの境界を越えて継続可能になる。
ユーザーインターフェースはシンプルで視認性が高く、直感的な操作性が意識された設計となっている。
プライバシー面においては、Metaが強調している通り、チャット内容は明示的に共有しない限り、他人に公開されることはないとされている。
市場活性化を促すMetaの一手 日本語対応と国内展開に期待集まる
今回の単体アプリの登場により、AIアシスタント市場は新たな局面を迎えた。
これまでChatGPTやGeminiが先行していた領域に、Metaが自社の技術力とSNSプラットフォームでの知見を活かして割って入る形となる。特に、リアルタイム検索や画像生成などの機能は、日常的な利用シーンにおいて高い汎用性を持つ。
ただし、現時点では日本語に対応しておらず、日本市場では利用が制限される状況にある。
Metaからは具体的な対応時期は公表されていないものの、今後のアップデートでの多言語対応が視野に入っていると見られており、国内のユーザーからはその動向に注目が集まっている。
また、FacebookやInstagramといった既存プラットフォームとの統合がさらに進むことで、Meta AIが生活インフラに近い存在として定着する可能性もある。
Ray-Ban Metaとの連携や、今後想定される他デバイスとの統合など、エコシステム拡大の余地は大きい。
ビジネスユーザーにとっても、検索や生成、記録といった日々の作業の自動化・効率化に寄与するツールとなり得るだろう。
Meta AIの進化が、AIアシスタント活用の常識を更新していく契機となるか、今後の動きが注目される。