Meta、AI活用で売上21%増　増収増益で次世代技術に注力

米国のIT大手Metaは、2024年第4四半期決算において売上高が前年同期比21%増の483億ドルとなり、2桁台の増収増益を達成した。一方で、メタバース事業を担うReality Labs部門では約50億ドルの営業損失を計上したが、同社はAI技術との連携を強化し、引き続き両分野への投資を継続する方針を示している。

広告事業の好調とAI技術の活用

Metaの成長を支えているのは主力の広告事業だ。同社はAI技術を積極的に活用し、広告のターゲティング精度を大幅に向上させた。特に、短編動画コンテンツ「Reels」への投資が奏功し、広告主の関心を集めたことで広告収入が大きく伸びている。また、AIを用いた広告推奨エンジンにより、広告主の投資収益率（ROI）が15%以上改善したと報告されている。

このような広告事業の成功は、Metaの収益基盤を支える重要な要素である。特に、AI技術によって個別のユーザーに最適化された広告配信が可能になり、広告効果が飛躍的に高まっていることが挙げられる。これにより、企業は広告費用に見合うリターンを得られるため、Metaへの広告投資がさらに増加している状況だ。

Reality Labsの現状とメタバース戦略

メタバース事業の中核を担うReality Labs部門では、2020年以降、累計で580億ドルを超える損失が発生している。しかし、Metaはこれを短期的な損失とは見なしておらず、長期的な成長戦略の一環として積極的な投資を継続している。マーク・ザッカーバーグCEOは、メタバースを次世代の主要なコンピューティングプラットフォームと位置づけており、将来的には新たな収益源になると強調している。

Reality Labsでは、仮想現実（VR）デバイスや拡張現実（AR）技術の開発に注力しており、メタバース内でのエンターテインメントやビジネス、教育など多様なサービスを提供する計画である。また、AIとの連携により、よりインタラクティブで没入感のある体験を実現することを目指している。

AIとメタバースの未来展望

Metaは今後もAIとメタバースの技術開発を並行して進める方針である。2025年にはAI関連のインフラ構築に約600億–650億ドルを投じる計画があるとされ、これにより革新的な製品やサービスの提供を加速させる見通しだ。例えば、AIを搭載したスマートグラスが世界的に普及すれば、新たな市場を開拓する大きな契機になると期待されている。

AIとメタバースはそれぞれの技術が相互に補完し合うことで、より高次元のユーザー体験を提供することが可能となる。Metaはこの相乗効果を最大化することで、競合他社との差別化を図り、次の成長ステージに向けた基盤を固めている。

以上のように、Metaは広告事業による安定した収益基盤を活かしながら、AIとメタバース技術に積極投資を行うことで、長期的な成長を目指している。これらの戦略が今後どのような成果を生むのか、引き続き注目される。