生成AI特需でフジクラが純利益1500億円へ 3度目上方修正と増配、AIデータセンター需要が業績押し上げ

2026年2月9日、株式会社フジクラは2026年3月期の業績予想を上方修正を公表したと、ロイターが報じた。生成AI向けデータセンター需要の拡大を背景に、純利益は1500億円へ引き上げられ、今期3回目の修正となった。
純利益1500億円、今期3度目の上方修正
同社は連結純利益見通しを従来1320億円から1500億円へ増額した。前年比64.6%増で、5期連続の最高益更新をうかがう水準である。アナリスト13人の予想平均1469億円も上回り、業績モメンタムの強さが際立つ。年間配当は1株215円へ引き上げられ、前期実績100円から倍増圏となった。
売上高も1兆1430億円へ修正され、こちらも過去最高を更新する見込みだ。
背景には生成AIの普及に伴うデータセンター投資の急拡大がある。サーバー間を接続する光配線ソリューション(※)製品の需要が増勢を続け、複数の仕入れ先からの光ファイバー調達や既存設備の生産性向上が収益を押し上げた。岡田直樹社長は来期も同分野の需要が旺盛に推移するとの見通しを示した。
さらに、日米合意に基づく対米投融資計画では光ファイバーケーブル供給者として同社の名前が明記され、新工場建設を含む大型投資の検討も進む。
中国のレアアース輸出規制については影響は限定的としつつ、在庫確保と調達先分散を進める方針である。
※光配線ソリューション:光ファイバーを用いてサーバーや通信機器を接続する高速通信技術。大容量・低遅延伝送が可能で、AIデータセンターの基盤インフラとして不可欠とされる。
AI時代の勝者候補、拡張投資の賭け
今回の上方修正は、同社が「AIインフラ銘柄」として構造的な追い風に乗ったことを示す。生成AIの学習・推論では膨大なデータを高速転送する必要があり、光ファイバーによる低遅延接続は不可欠だ。いわばAIの神経網を担う存在であり、市場拡大とともに中長期的な受注増が期待できる。
増配も含め、株主還元強化は資本市場からの評価を高める材料になる。
一方で、急拡大する需要は同時に供給リスクを伴う。生産能力が不足すれば機会損失が生じ、設備投資の負担は財務を圧迫しかねない。地政学リスクや資源調達の不安定化もコスト上昇要因となる。
新工場建設が計画通り立ち上がるかどうかが成長持続の分水嶺となり、AI特需を一過性で終わらせない経営手腕が問われる局面に入ったと言える。
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