freee会計、AIが決算書を自動読取 中小企業の導入障壁を解消

2026年2月6日、日本のフリー株式会社はクラウド型会計ソフト「freee会計」に、AIで前期決算書を読み取り初期設定を自動化する新機能「AI決算書スキャン」を追加したと発表した。紙やPDFしかない企業でも短時間で導入できる取り組みである。
AIが決算書を解析、開始残高を自動生成
freee会計は、経理業務をクラウド上で完結させる会計ソフトとして中小企業を中心に利用が拡大してきたが、導入時には前期決算書を基に開始残高を登録する初期設定が必要だった。この作業は勘定科目ごとの金額入力を伴い、時間と手間がかかる工程であった。
特に小規模法人では、既存システムからのデータ出力ができず、紙やPDF形式の決算書しか保管していないケースが過半数を占めるという。その結果、すべてを手入力せざるを得ず、数時間単位の作業や入力ミスが発生していた。
新機能「AI決算書スキャン」は、スマートフォンで撮影した画像や申告書PDFをアップロードするだけで、AIが貸借対照表のページを自動判定し数値を抽出する仕組みだ。読み取ったデータは開始残高として自動反映され、確認後すぐに運用を開始できる。
導入加速の追い風、精度と責任が課題
最大のメリットは、導入ハードルの大幅な低下である。
経理専任者がいない企業でも短時間で環境構築が完了するため、バックオフィスのDX(※)が進みやすくなる。開始残高の自動化により、入力ミスの削減や立ち上げコストの圧縮も期待でき、クラウド会計の裾野はさらに広がるだろう。
一方、AIの読み取り精度は書類品質に左右される。写真のゆがみや独自フォーマットでは誤認識が起きる可能性があり、最終確認を人が担う体制は不可欠だ。
誤った残高が設定されれば決算全体に影響するため、責任分界点の整理も求められる。
今後は、初期設定にとどまらず仕訳提案や決算整理までAIが担う流れが加速するとみられる。会計ソフトは単なる入力ツールから自律型プラットフォームへ進化し、中小企業の経営判断を支える基盤へ変貌していく可能性が高いと考えられる。
※DX:デジタル技術で業務や組織、ビジネスモデルを変革し、生産性や競争力を高める取り組み。単なるIT導入ではなく、業務プロセス全体の再設計を伴う概念。
関連記事:
freee、AIと人で支える確定申告へ 入力代行と自動化で負担を軽減












