香港Z世代の6割がAIに競争不安 4割が進路変更、キャリア観が再編へ

2025年5〜9月、香港キリスト教青年会(YMCA)青年議会が公表した調査で、香港のZ世代の約6割がAIの発展により自身の競争力に影響が出ると懸念していると報じられた。専攻やキャリアを変更した若者も4割を超え、進路選択に実質的な影響が広がっている。
62%がAI影響懸念、4割が進路変更
調査は2025年5〜9月、1997年以降生まれのZ世代1,178人を対象に実施された。AIが自身の競争力に影響を及ぼすと答えた割合は約62%に達し、「影響しない」との回答は5%未満にとどまる結果となった。多くの若者が将来の雇用環境を不安視している実態が数字で裏付けられた形である。
さらに43%が、AIの進展を理由に専攻分野やキャリア計画を変更したと回答した。選択した職種が自動化や代替で消える可能性を懸念したためだという。加えて、AIの技術的理解度は「全く理解していない」が約3割を占め、「熟知している」は1割にとどまった。AIに対して脅威を感じつつも知識が不足する構図が浮き彫りになった。
こうした状況を受け、YMCA青年議会は中学や大学で「人とAIの共存」をテーマにした教育課程の導入を提言している。
教育次第で武器にも格差にも
AIを使いこなす力、すなわちAIリテラシー(※)が身に付けば、業務効率化や新規ビジネス創出につながり、若者にとっては大きな追い風となることは明白な事実だろう。
AIを補助的に利用することで単純作業から解放され、創造的な仕事へ集中できる点は明確なメリットだ。香港が高度人材の集積地として競争力を高める契機にもなり得る。
一方で、AIに対する技術的理解度の欠如やスキルの不足はそのまま雇用機会の損失に直結する。一辺倒にAIに依存することで学習機会の差が所得格差を拡大させ、知識を有するものとの世代内の分断を深めるリスクは否定できない。
AIは便利な技術としてだけでなく、最低限のアルゴリズムに対する知識や、注意をしながら利用する意識が必要だ。
教育投資と再訓練の仕組みをどこまで整備できるか。香港の選択は、アジア都市の人材戦略における基準となるだろう。
※AIリテラシー:人工知能の仕組みや活用法、リスクを理解し、業務や学習に応用できる基礎的な知識と技能の総称。
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