Excel「AIエージェントモード」のデスクトップ版提供 Copilotで自律実行

2026年1月27日、米MicrosoftはMicrosoft 365 Copilotの新機能「Excel エージェントモード」をWindows向けデスクトップ版で提供開始した。昨年12月のWeb版に続く展開で、表計算ソフトが自ら作業を実行するAI機能がローカル環境でも本格利用可能となった。
Excelに「エージェントモード」正式展開
エージェントモード(※)は、Copilotがユーザーの目的を理解し、作業計画の立案からワークブック内での直接操作、結果の検証までを一貫して実行する自律型AI機能である。
従来のチャット補助とは異なり、指示に基づいて実際に手を動かす点が最大の特徴だ。
具体的には、ブックの新規作成、複雑な数式の修正、データ整形、グラフやピボットテーブル生成などに対応する。担当者が一つひとつ操作していた工程を、自然言語の指示だけで完結させる仕組みだ。
これまではWeb版で先行提供されてきたが、利用頻度の高いWindowsデスクトップ版へ拡張されたことで、日常業務への浸透が現実的になった。Mac版も数日以内に展開予定である。
パブリックプレビュー期間中は複数の大規模言語モデルを選択可能で、OpenAIの「GPT 5.2」とAnthropicの「Claude Opus 4.5」を用途に応じて切り替えられる。
またWeb検索機能を統合し、外部の最新情報を参照した分析にも対応する。
利用対象はMicrosoft 365 Copilotライセンス契約者のほか、PersonalやFamily、Premiumプラン加入者。PersonalとFamilyはAIクレジット制を採用する。
なおEUおよび英国では現時点で提供されていない。
※エージェントモード:ユーザーの目標に基づきAIが作業計画を立案し、ソフト内で自動的に操作・実行・検証まで行う仕組み。従来の提案型AIより自律性が高い。
生産性飛躍と依存リスクの分岐点
この機能がもたらす最大のメリットは、ホワイトカラー業務の大幅な効率化と言える。
関数知識やマクロ作成といった専門スキルがなくても、高度な集計や分析を自然言語で実行できる点は、属人化していた作業が平準化され、業務の効率化に大きく寄与すると考えられる。
また、レポート作成や予算管理、データ可視化の時間短縮は確実で、少人数組織でも高度なデータ活用が可能になるだろう。
一方で、AIが生成した数式や処理内容の妥当性を人が十分に検証しなければ、誤計算や判断ミスが拡大する恐れがある。さらにクレジット制による利用制限やコスト増も無視できない要素だ。
今後Excelが「操作するツール」から「仕事を任せるエージェント」へ進化する流れは不可逆とみられる。
後を追うように、他のOfficeアプリにも同様の自律機能が広がり、オフィスワーク全体がAI前提で再設計される可能性は高いと考えられる。
表計算ソフトの進化は、単なる機能追加ではなく、働き方そのものの再定義を迫る転換点と言える変化だろう。
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