東京都と広島県がAI行政で連携 生成AI活用を全国展開へ

2026年1月26日、東京都と広島県、一般財団法人GovTech東京は、行政分野におけるAI利活用を共同で推進する基本協定を締結した。国内自治体が生成AIを軸に本格的な連携体制を構築する事例であり、住民サービスと行政運営の在り方を同時に変える動きとして注目される。
東京都と広島県、GovTech東京とAI活用で協定締結
東京都、広島県、一般財団法人GovTech東京(※)は、住民サービスの質向上と行政業務の生産性向上を目的に、「AI利活用の推進における連携・協力に関する基本協定」を締結した。協定締結日は2026年1月26日であり、生成AIを行政実務へ本格的に組み込むための枠組みを定めている。
協定内容は大きく四つに整理されている。
第一に、生成AI利活用環境の整備であり、安全性を前提とした共通基盤の検討が含まれる。
第二に、AI利活用に関する知見の共有で、先行事例や運用ノウハウを自治体間で循環させる狙いがある。
第三に、AI活用を担う職員の人材育成と交流であり、実務を理解した内部人材の底上げを図る。
第四に、連携目的を達成するためのその他必要事項で、柔軟な拡張を想定している点が特徴だ。
締結式で小池百合子東京都知事は、生成AIプラットフォームの連携を通じ、より深く広いAI活用が可能になるとの認識を示した。横田美香広島県知事も、自治体自らが安全な生成AI環境を構築する新たなモデルを地方から磨き上げ、全国へ発信していく考えを強調している。
本協定は、東京都が掲げる「2050東京戦略」におけるデジタル改革の一環でもあり、AIを行政構造改革の基盤と捉える姿勢が鮮明になった。
※GovTech東京:東京都が設立した一般財団法人。デジタル技術を活用し、行政サービス改革や業務変革を推進する専門組織。
自治体AI連携のメリットと課題 全国展開への展望
今回の連携による最大のメリットは、自治体単独では難しいAI活用の高度化を、共同で進められる点にある。生成AIは即効性の高い分野が多く、知見共有が進めば導入コストと検証負担を抑えながら成果を拡大できるだろう。
一方で、デメリットやリスクも無視できない。
自治体間でAI活用が広がるほど、個人情報や行政データの管理、セキュリティ水準の統一が重要になる。ガバナンス設計が不十分であれば、住民の信頼低下を招く恐れもある。
今後は、今回のモデルが他自治体へ横展開されるかが焦点となる。人材育成と運用ノウハウの蓄積が進めば、外部ベンダー依存からの脱却が進み、自治体DXの自立性が高まる可能性がある。
東京都と広島県の成果が、全国的な行政AI活用の機会となるかが注目される。
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