Anthropic調査で判明 AIの生産性向上は高学歴タスクに集中

2026年1月16日、米AI企業Anthropicは、生成AIが仕事と経済に与える影響を分析した第4回「Economic Index Report」を発表した。ClaudeとClaude APIの利用状況を基に、AIによる生産性向上が高度な知的タスクで特に顕著である実態が示された。
Anthropic、AI活用の実態を分析 複雑タスクほど生産性が向上
Anthropicは今回、ClaudeおよびClaude APIの利用データを分析し、AIが仕事に与える影響を職種やタスク単位で整理した。新たに導入した指標「経済プリミティブ(※)」により、タスクの複雑性、成功率、時間短縮効果、AIの自律性といった要素を組み合わせ、AI活用の実態を可視化している。
この分析により、AIは単純作業だけでなく、より高度な知的業務で大きな効果を発揮していることが明らかになった。会話内容の理解に高校卒業相当の学力を要するタスクでは処理速度が約9倍、大学卒業相当では約12倍に向上したという。API利用では、さらに大きな速度向上が確認された。
職種別では、放射線科医やセラピストなどの専門職において、AIが業務の一部を担うことで、人間が判断や対人対応に集中できる余地が広がる可能性が示された。一方、データ入力や旅行代理店、IT関連の定型業務では、AIが業務の大部分をカバーできるケースも多く、人間の役割が限定される傾向がある。
※経済プリミティブ:Anthropicが導入した新たな分析指標。タスクの複雑性、成功率、時間短縮効果、AIの自律性などを組み合わせ、AI活用の実態と成果を定量的に把握するための枠組み。
専門人材の生産性は向上 一方で格差拡大のリスクも
今回の調査結果は、AIが高度人材の生産性を押し上げる強力な手段となり得ることを示している。
Claude.aiでは、人間が主導しAIを補助的に使う「拡張型AI」の利用が全体の51.7%を占め、業務が複雑になるほど人間の専門的判断が重要になる傾向が確認された。これは、AIが専門家の能力を代替するのではなく、強化する方向で使われていることを意味すると分析できる。
国別では、米国、日本、インドなど高所得国が利用を牽引しており、一人当たりGDPとAI利用率の相関も示された。日本での利用は高所得国の動向と一致していると報じられている。
今後は、AIを使いこなす教育や再訓練をどこまで社会全体に広げられるかが、経済成長と雇用構造を左右する重要な論点になるだろう。
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