メタCEOザッカーバーグ氏、数百ギガワット級AI計算基盤を構想

2026年1月12日、米メタ(Meta)のマーク・ザッカーバーグCEOがフェイスブック上で、将来的に「数百ギガワット規模」のAI計算インフラを構築する計画を明らかにした。
メタ、数百ギガワット規模のAI計算インフラ構築へ
ザッカーバーグ氏は、AI開発を支えるデータセンターと計算基盤への投資を一段と拡大すると表明した。あわせて、AIインフラを経営トップ直轄で統括する新組織「メタ・コンピュート(※1)」を立ち上げると説明している。
同氏によれば、メタは過去10年で「数十ギガワット」規模の計算能力を構築してきた。これを今後、数百ギガワット、さらにはそれ以上へと拡張する構想であり、AIモデルの進化を前提とした長期投資である点が特徴だ。
メタはAIデータセンターを含む米国内インフラ整備と雇用創出に向け、2028年までに総額6000億ドルを投じる計画を示している。
1ギガワット(※2)はフーバーダムの発電出力のおよそ半分に相当し、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』で象徴的に語られた1.21ギガワットと比較しても、その規模の大きさは際立つ。
この取り組みは、インフラ部門責任者のサントシュ・ジャナルダン氏と、元セーフ・スーパーインテリジェンス所属のダニエル・グロス氏が率いる。
※1 メタ・コンピュート:メタが新設する経営トップ直轄のAI計算インフラ統括組織。データセンター設計や投資判断を集中的に担う。
※2 ギガワット:電力の単位で、10億ワットを指す。大規模発電所やデータセンターの電力規模を示す際に用いられる。
計算力主導のAI競争、優位性と集中リスクが表裏に
メタが数百ギガワット級の計算基盤を自社で保有できれば、メタは生成AIの学習や運用において他社を大きく引き離せる可能性がある。外部クラウドへの依存度が下がれば、コスト管理と開発スピードの両立が長期的に実現しやすくなるだろう。
一方で、電力消費の急増は社会的な摩擦を生む恐れもある。大規模データセンターの集中は、地域の電力需給や環境負荷への懸念を高め、規制強化や世論の反発を招くリスクを伴う。
また、巨額投資を継続できる一部企業に計算資源が集中すれば、AI産業の寡占化が進む可能性も否定できない。計算能力が参入障壁となり、新興企業や研究機関の競争余地が狭まる展開も想定できる。
メタの構想は、AI競争がアルゴリズム中心の段階を越え、電力とインフラを含む総力戦へ移行したことを象徴している。今後は、技術革新と社会的持続性をいかに両立させるかが、次の焦点になるだろう。











