百度のAI半導体部門が香港上場へ 中国AI産業が次の成長段階に入る

2026年1月2日、中国インターネット検索大手の百度は、AI用半導体部門「崑崙芯」が香港証券取引所に上場申請を行ったと明らかにした。
百度、AI半導体子会社「崑崙芯」の香港上場を申請
百度によると、崑崙芯は2026年1月1日付で香港証券取引所に新規株式公開の申請を行った。申請は非公開方式(※1)で進められたという。
上場後も百度が支配株式を保有し、子会社としての関係は維持される見込みだとしている。
崑崙芯は2012年に百度のAI半導体開発部門として設立された。検索エンジンやクラウドサービス、生成AI向けの演算処理を担う専用チップの開発を担い、長らく百度グループ内での利用が中心だった。
その後、この2年間で外部企業への供給を拡大し、事業としての独立性を高めている。
市場では以前から上場観測が出ていた。
2025年12月に実施された直近の資金調達では、崑崙芯の企業価値は約210億元、ドル換算で約30億ドルと評価された。中国国内でAI半導体への投資熱が高まる中、香港でのIPO(※2)が有力視されていた経緯がある。
百度は、上場時期や調達規模などの具体的条件については未確定としている。
※1 非公開方式:上場申請時点では詳細資料を一般公開せず、当局審査を非公開で進める手法。
※2 IPO:新規株式公開。未上場企業が株式市場で株式を公開し、資金を調達すること。
資金調達の加速とリスク 中国AI半導体は自立できるか
崑崙芯の上場が実現した場合、最大のメリットは研究開発資金の安定確保だろう。
昨今の生成AIの進化に伴い、半導体には演算性能と電力効率の両立が強く求められている。上場企業となることで、崑崙芯は長期的な開発投資を計画しやすくなり、人材獲得競争でも優位に立つ可能性がある。
一方で、デメリットや不確実性も存在する。
AI半導体は米中対立の影響を受けやすい分野であるため、技術規制や投資家心理の変化が株価や調達環境に影を落とすリスクは否定できない。香港市場を選んだとはいえ、地政学的要因が評価に織り込まれる状況は続くとみられる。
将来的には、崑崙芯が百度向け内製チップから脱却し、外部顧客をどこまで広げられるかが焦点となるだろう。親会社依存を弱め、汎用的なAI半導体企業としての実績を積み上げられれば、中国AI産業全体の競争力向上にもつながるかもしれない。
今回の上場申請は、単なる企業イベントではなく、中国AIが「技術開発」から「事業化と市場評価」の段階へ進む象徴的な動きとなる可能性がある。
Baidu Announces Proposed Spin-off and Separate Listing of Kunlunxin











