InfiniCloudとさくらインターネット、企業向け国産プライベートAI β版提供開始

2025年12月22日、InfiniCloud株式会社は、日本国内向けに提供する「さくらのAIソリューション」において、国産プライベートAI基盤「InfiniCloud AI」を活用したパッケージのβ版提供を開始した。国内完結型の生成AI基盤として、企業の実務利用を主眼に据えた動きだ。
InfiniCloud AI採用パッケージ、β版提供を開始
今回発表されたβ版パッケージは、さくらインターネットが提供する国内完結型の専有GPU(※)環境と、InfiniCloud AIの生成AI機能を組み合わせた企業向けサービスである。
InfiniCloud AIは、社内文書のノイズ除去やチャンク化といった前処理工程を自動化し、部署や業務領域ごとに特化したAIを構築できる点が特徴だ。単なる生成AIの導入ではなく、社内知識の再構築や活用までを視野に入れた設計と言える。
通信は完全閉域網で構成され、情報漏洩リスクの低減を図る。さらに、月額固定料金制を採用することで、利用量に応じてコストが膨らみやすい生成AIの課題に対応した。性能、セキュリティ、コストの透明性を同時に訴求する構成と言える。
※専有GPU:特定の利用者が専用で使用できるGPU環境。他ユーザーと共有しないため、性能やセキュリティ面で安定性が高い。
現場定着の期待と課題 国産AI基盤は次の競争へ
本パッケージの最大のメリットは、機密情報を外部に出さずに生成AIを業務へ組み込める点にある。社内データで構築したAIを現場が安心して使える環境は、生成AI活用が進まなかった企業にとって導入の後押しとなる可能性が高い。
一方で、β版である以上、実運用における性能や運用負荷、サポート体制は今後の検証が必要だとみられる。また、専有GPU環境は安定性に優れる反面、急激な利用拡大時の柔軟性や価格競争力が課題になる可能性も否定できない。
それでも、国内完結型の私有AI基盤を前提とした今回の取り組みは、国産AI市場が次の段階へ進む兆しと捉えられる。
今後は、こうした基盤を土台に、業界特化型AIや自社仕様LLMによる競争が本格化していくと考えられる。











