日立情報通信エンジニアリング、エッジAI実装を支える新サービス提供

2025年12月17日、日立情報通信エンジニアリングは、国内向けに「エッジAIエンジニアリングサービス」の提供開始を発表した。エッジAIのデバイス選定から開発、評価、運用までを包括的に支援し、現場実装の難易度を下げる狙いである。
エッジAI実装を設計から運用まで包括支援
今回発表されたエッジAIエンジニアリングサービスは、エッジデバイスへのAI機能実装を最適化することを目的とした支援サービスである。
同社が展開するハードウェアやソフトウェアの開発・設計における共通課題の解決策をメニュー化したサービス「メニューベースエンジニアリングサービス」の新メニューとして提供される。
デバイス選定の段階では、処理性能や消費電力、AI推論精度、コストといった複数要件を踏まえ、AIアルゴリズムの分析・解析に基づく事前検証を行う。加えて、AIモデルに適したハードウェア選定やソフトウェアアルゴリズムの最適化など、構成全体を俯瞰した検討を支援する。
開発・評価フェーズでは、選定デバイスに対応した実装やチューニング、システムテストまでをカバーする。
フィジカルAI時代の現実解となるか
エッジAIを巡っては、期待の高まりと裏腹に、設計や評価の難しさが導入障壁となってきた。同サービスのメリットは、検証から運用までを一社で完結できる点にあり、現場導入までの時間短縮や失敗リスクの低減につながる可能性がある。
一方で、特定ベンダーへの依存度が高まる点はデメリットとなりうる。将来的な拡張や他システム連携をどこまで柔軟に確保できるかは、導入企業側の検討事項となるだろう。
同社は今後、フィジカルAI(※)領域でエッジAIエンジニアリングを活用したソリューションを体系化するとしている。エッジAIが実証実験の段階を越え、産業インフラとして定着するかどうかの試金石になると言える。
※フィジカルAI:ロボットや設備など物理世界と相互作用し、認識だけでなく判断や制御まで担うAI技術の総称。











