LIFULL、AIエージェントで住まい探しを支援 第1弾「AIホームズくん」始動

2025年12月17日、国内不動産情報大手のLIFULLは、統合型AIエージェント「LIFULL AI」を発表した。第1弾として対話型探索アシスタント「AIホームズくん」を実装し、日本国内で提供を開始する。住まい探しの意思決定構造を変える取り組みとして注目される。
LIFULL、統合型AI「LIFULL AI」を始動
LIFULLは、同社グループが保有するデータベースを横断的に統合した独自のAIエージェント「LIFULL AI」の提供を開始した。
利用はLIFULL HOME’Sアカウント登録者を対象とし、第1弾として不動産・住宅情報領域の「AIホームズくん」を実装している。基盤にはChatGPTの技術を活用する。
従来の住まい探しは、ユーザーが自ら条件を設定し、物件検索、エリア調査、相場確認などを個別に行う必要があった。不動産分野は情報量が多く、専門知識も求められるため、探索難易度の高さが課題となっていた。
LIFULL AIは、住まい探しをはじめ、LIFULLグループの各サイトにおける様々な情報を横断的に解析し、ユーザーごとの文脈に合わせた提案を行なう。ユーザーの知見不足を補填し、検討の手間を減らせるとしている。
さらに、条件や嗜好を一度学習すると、AIが自律的に情報を監視する「自走型(Push型)機能」を備える。新着物件や価格変動があった場合、AIが能動的に通知するため、ユーザーは常時検索画面に張り付く必要がない。
第1弾として実装したAIエージェント「AIホームズくん」は、自然言語による曖昧な相談からユーザーの希望を読み取り、物件情報や周辺情報を参照した上で、パーソナライズされた提案を行う。
今後は介護や不動産投資など、他領域への拡張も予定されている。
意思決定を任せる利便性と、AI依存のリスク
LIFULL AIの最大のメリットは、情報収集と整理をAIに委ねることで、ユーザーが判断そのものに集中できる点にある。多忙なビジネスマンにとって、住まい探しに費やす時間と認知負荷を大幅に削減できる点は大きなメリットだ。
一方で、AIが提示する選択肢や優先順位に依存しすぎるリスクも無視できない。推薦ロジックが見えにくい場合、判断根拠を十分に理解しないまま意思決定してしまう恐れがある。説明性や透明性の確保は、今後の信頼構築に不可欠となるだろう。
それでも、検索行動そのものをAIが代替する流れは今後加速すると見られる。
LIFULL AIが単なる便利機能にとどまらず、「住まい選びの伴走者」として定着するかどうかは、提案精度とユーザー体験の質にかかっていると言える。











