UUUMとフリークアウト、動画広告企画を支援するAIエージェント「GOAT」開発

2025年12月18日、ユーチューバー事業を手がけるUUUMと、マーケティングプラットフォームを展開するフリークアウトは、インフルエンサーマーケティング動画の企画を支援するストーリーボード生成AIエージェント「GOAT」を共同開発したと発表した。
動画広告の構成案を自動生成するAIエージェント
GOATは、動画広告の構成案を示すストーリーボード(※)を自動生成するAIエージェントである。
商材情報や訴求ポイント、動画のイメージを入力すると、シーンごとのアクションや撮影アングル、せりふ、キャプション(字幕)、絵コンテまでを生成する仕組みだ。
開発には、UUUMが長年蓄積してきたインフルエンサー動画制作の実務知と、フリークアウトが保有するソーシャルメディア特化型プロダクトの開発技術が活用された。特に、商品特性と親和性の高い「界隈」を自動抽出・特定する技術や、商材カテゴリー別の動画構成トレンドを検知する技術が中核をなす。
背景には、縦型動画を中心としたSNS広告の拡大がある。
短時間で成果を求められる一方、反響が見込める企画や演出の予測は難しく、構成案作成が制作現場のボトルネックとなっていた。
広告主や代理店を含む戦略的パートナーのプロジェクトに先行導入し、問い合わせはフリークアウトが受け付けるという。
※ストーリーボード:映像制作において、シーン構成や演出、カメラワークなどを事前に整理した設計図。制作関係者間で完成イメージを共有する目的で用いられる。
制作効率化の期待と創造性への影響
GOATの活用が広がれば、インフルエンサーマーケティングにおける企画工程は大幅に効率化すると考えられる。構成案作成に要する時間が短縮され、広告主や代理店は検証や改善により多くのリソースを割けるようになるだろう。経験の浅い担当者でも一定水準の企画を設計できる点は、大きなメリットと言える。
一方で、AIが提示する構成案への依存が強まれば、表現が画一化するリスクも生じる。
インフルエンサー固有の個性や偶発性は、視聴者の共感を生む重要な要素であり、テンプレート化が進めば広告色が強まる懸念が残る。
両社は今後、企画にとどまらずコンテンツ制作全体を支援するAIエージェントの開発も計画している。AIを創造性の代替ではなく拡張手段として位置づけられるかが、次世代の動画広告の成否を左右することになりそうだ。











