ソースネクスト、「AutoMemo」にAIタイトル自動付与機能を追加 検索性向上へ

2025年12月11日、国内ソフトウエア大手のソースネクストは、文字起こしAI「AutoMemo(オートメモ)」にAIによるタイトル自動付与機能を追加した。録音内容を理解したうえで具体的な名称を生成し、業務記録の管理と検索性を高める日本国内向けの新機能である。
AutoMemoにAIタイトル自動付与機能を追加
ソースネクストは、文字起こしAI「AutoMemo」において、録音内容からAIが自動でタイトルを付与する新機能の提供を開始した。これまで録音データには「新規録音_録音日」といった形式的なファイル名が付けられていたが、今後は会議や打ち合わせの内容を反映した具体的なタイトルが生成される。
本機能は、録音音声を文字起こしし、自動要約(※)が実行されるタイミングで作動する。AIが発言内容全体を解析し、議論の主題や重要な論点を判断したうえで、内容を端的に示すタイトルを生成する仕組みだ。生成されたタイトルは後から手動で編集できるが、事前にユーザーがタイトルを編集している場合は、AIによる自動付与は行われない仕様となっている。
また、録音データに意味のあるファイル名が付くことで、過去データの検索性も向上するという。キーワード検索時の精度が高まり、必要な議事録や取材音声に迅速にアクセスできる点が特徴だ。
「AutoMemo」には、月1時間分の文字起こしが可能な無料プランと、月30時間まで利用できるプレミアムプラン(月額1,480円)が用意されている。
※自動要約:AIが長文のテキストや会話内容を解析し、重要な論点や結論を抽出して短く整理する機能。会議録や議事録作成の効率化を目的に活用されている。
記録業務の効率化が加速する一方、最終判断は人に残る
タイトル自動付与は、記録整理にかかる手間を減らし、業務効率を高める点で明確なメリットがありそうだ。会議数や取材件数が多い環境では、内容を思い出すための確認作業が減り、情報活用のスピード向上につながる可能性が高い。AIによる補助が、日常業務に実装されつつある象徴的な事例と言える。
一方で、AIが生成するタイトルは文脈理解に限界があり、重要なニュアンスを十分に反映できないケースも想定される。特に抽象的な議論や複数テーマが混在する会議では、過度な自動化が誤解を招くリスクも否定できない。あくまでも「AIの提案を人が確認・補正する運用」が前提となるだろう。
今回の機能拡張を通じて、AutoMemoは単なる文字起こしツールから情報管理を支援する業務基盤へと進化しつつあると言える。
今後、要約や検索との連携が深まれば、AIが「記録を読む」段階まで踏み込む可能性もある。
AutoMemoが働き方そのものに影響を与える展開となるか、引き続き注目したい。











