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    トランプ政権がH200の対中輸出を解禁 AI覇権競争で米中の力学が変わる可能性

    2025年12月8日、米国のトランプ大統領はエヌビディア製AI半導体「H200」を中国向けに輸出する方針を明らかにした。2022年から続く対中規制を一部緩和する動きで、中国のAI開発環境が大きく変化する可能性がある。

    目次

    エヌビディアH200を対中輸出へ 規制緩和の経緯と判断

    トランプ大統領は8日、習近平国家主席に対し、エヌビディア製AI半導体「H200」の中国向け出荷を許可すると伝達したことを明らかにした。自身のSNSに投稿し、「習主席は前向きな反応を示した」としている。

    H200は現行主力の「ブラックウェル」より1世代前のモデルでありながら、大規模AIの訓練に必要な性能を備える重要な半導体だ。しかし米国は2022年以降、安全保障を理由に先端AI半導体の対中輸出を厳しく規制してきた。「H200」も一度も輸出が認められてこなかった経緯がある。

    今回の措置は、従来の強硬路線からの部分的転換である一方、完全な緩和ではない。トランプ大統領はブラックウェルや次期「ルービン」など最新世代の半導体は輸出規制緩和の対象に含まれないとして、「我々は国家安全保障を守り、AI分野におけるアメリカの優位性を維持する」と強調した。

    また、AMDやインテルなど他社製品にも同様の緩和措置を適用する方針を示し、商務省が詳細を詰めていることを明らかにした。
    米企業の輸出機会を部分的に回復させつつ、中国が最先端技術にアクセスすることは防ぐというバランスを取った判断とみられる。

    H200解禁の影響 中国のAI強化と米国のリスク管理

    H200輸出の解禁は、中国にとってAI開発の加速につながる可能性が高い。H200は旧世代とはいえ生成AI向けの計算能力を備えており、中国企業が研究インフラを比較的低コストで整えやすくなる利点が生じる。国内GPU不足が続いてきた状況を踏まえると、安定調達の道が開ける意味は大きいと考えられる。

    一方、米国側には慎重論もある。旧世代品とはいえ、高性能GPUの供給が中国の技術力向上を後押しし、米中間のAI競争に新たな影響を与える可能性があるためだ。経済と安全保障の両立をどこまで維持できるかが重要だとの見方があるとみられる。

    さらに、AMDやインテル製品への緩和拡大が実現すれば、米企業の収益改善が進む半面、中国への技術供与をどこで抑制するかという線引きが難しくなるだろう。米中関係が不安定な中で、今回の判断が長期的な均衡にどう作用するかは依然不透明なままだ。

    今後は、旧世代GPUの輸出が中国のAIインフラを底上げし、研究開発のスピードを押し上げる一方で、米国は次世代GPUの規制を維持しながら優位性の確保を図る構図になるとみられる。規制緩和の範囲とタイミングが、両国のAI覇権競争の行方を左右していくと言える。

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