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    AI普及で電力需要が急拡大 米ネクステラがグーグル・メタと大型連携を強化

    2025年12月8日、米電力大手ネクステラ・エナジーがグーグルクラウドおよびメタとの提携を拡大すると発表した。AI普及による電力需要の急増を背景に、複数ギガワット級データセンターの整備と大規模なクリーン電源契約が進む。

    目次

    ネクステラ、グーグルとメタから大型案件獲得しデータセンター網を強化

    ネクステラは8日、アルファベット傘下のグーグルクラウドと協力し、米国内で複数ギガワット級のデータセンターを新設すると明らかにした。
    2026年半ばまでには、機器故障を予測し、作業予定を最適化するAI製品を投入する計画で、送電網の安定性向上に貢献するとされる。

    同社はさらに、メタからも2.5ギガワットを超えるクリーンエネルギー契約を獲得した。電力購入契約11件と蓄電契約2件を含み、26〜28年に順次稼働する。
    これに加え、ウィスコンシン州ポイントビーチ原発から168メガワットの供給を50年代まで継続することでWPP Iエナジーと合意した。

    背景にあるのは、AIの普及にともなう米国内の電力需要の急伸である。高密度GPUを多数収容するデータセンターは従来比で消費電力が大きく、IT大手と電力会社が早期に電源を確保する動きが強まっている。

    ネクステラは風力・太陽光の大手として知られ、原発も運営する。
    近年の需要増を踏まえ、2025年と2026年の通期調整後利益見通しをともに上方修正した。

    電力網の再設計が焦点に AI時代の成長機会と供給リスクをどう捉えるか

    今回の提携強化は、AI時代における電力インフラの再定義を象徴している。
    メリットとしてまず挙げられるのは、IT企業が安定した長期電源を確保し、AIサービスの拡張速度を維持できる点だろう。再生可能エネルギーと原子力を組み合わせることで、電力価格の変動リスクを抑えつつも、サーバーを増強できると考えられる。
    電力会社にとっても、AI関連需要は長期契約として収益の安定化に寄与し得る。

    一方、デメリットやリスクも見逃せない。
    AIサーバーは消費電力が高く、地域送電網に負荷を与える可能性がある。電源開発の遅れや系統制約が深刻化すれば、データセンターの稼働率に影響する懸念も残る。
    また、再エネ比率の拡大が送電網の変動性を高める局面では、原子力や蓄電の役割がこれまで以上に重要になると考えられる。

    今後は、IT企業が電力会社と共同で発電所を開発するケースが一段と増える可能性がある。AI向け電力を「戦略資源」と捉える動きが広がれば、地域経済や電源立地の構造にも影響が及ぶだろう。

    電力供給の多様化と最適化を支える技術として、電力制御AI(※)の重要性はさらに高まるとみられる。

    ※電力制御AI:発電量・需要量・送電状況を同時に解析し、電力網を安定運用するためのアルゴリズム。再エネ導入拡大に伴い需要が伸びている。

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