AI駐車場「DENNOU PARK」が岡山で拡大 ゲートレス決済で移動体験が進化

2025年12月8日、国内スタートアップのDataHaxは、AIカメラとナンバー認識を活用した次世代型駐車場システム「DENNOU PARK」を岡山県内で拡大すると発表した。フクシマ宅建への新規納入により、岡山駅西口に「岡山パーキング伊福町1丁目」がオープンした。
AIカメラとナンバー決済が駐車場運用を刷新
DataHaxがフクシマ宅建へ納入した「DENNOU PARK」は、AIカメラによる車両検知とナンバー認識(※)を基盤としたゲートレス型駐車場である。
今回オープンした岡山パーキングは県内4箇所目であり、住所は岡山市北区伊福町1丁目に位置している。全車室にAIカメラを搭載しているため、入出庫時の一時停止や駐車券の発行が不要になる点が最大の特徴だ。
同施設で提供されるナンバープレート決済サービス「DENNOU GO」は、出庫後に届くLINE通知の承諾のみで精算が完了する仕組みで、精算機の操作を省ける。
現金を持たない利用者でも二次元コード経由のオンライン決済が可能で、幅広い利用シーンに対応している。
ゲートや大型精算機を設置しないため、運営側にとっては導入・保守コストを抑えられる点も大きい。
DataHaxは車番認識や交通量調査といったAI事業も展開しており、2019年創業以来、駐車場運用の効率化に注力してきた。
※ナンバー認識:AIカメラが車両のナンバープレート情報を自動読み取りする技術。入退場管理や自動決済の基盤となる。
ゲートレス化の利点と課題 都市交通の新標準となるか
ゲートレス化されたAI駐車場は、利用者の移動体験の向上に大きく寄与する可能性がある。入出庫の停止がなくなることで回転率が上がり、駅前エリアの混雑緩和にもつながる可能性がある。
また、オンライン決済の普及が進む中、スマホだけで利用できる利便性は強い競争力になるだろう。土地所有者にとっては大型装置が不要となるため、省スペースで収益化できる点も導入を後押ししそうだ。
一方で、AIカメラの認識精度や通信インフラの安定性といった運用上の課題が残るかもしれない。
ナンバー認識が誤作動した場合の対応フロー整備や、オンライン決済に不慣れな利用者への案内方法など、実際の運用で発生し得るボトルネックへの対処も求められそうだ。
今後、駐車場データを用いた需要予測や周辺商業施設との連携など、二次的なサービス開発も進めば、AI駐車場が都市インフラとして定着する可能性もある。
また、岡山での展開が成功事例として蓄積されれば、他都市への波及も期待できる。











