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    メタがアップルのUI統括を電撃招へい AIデバイス競争で主導権争いが加速

    米メタ・プラットフォームズが米アップルの著名デザイン幹部アラン・ダイ氏を採用したことが明らかになった。ブルームバーグが報じたもので、同社はAI搭載デバイス開発を一段と強化する考えを示した。

    目次

    メタ、新設スタジオでAI統合デザインを全面強化へ

    メタは、2015年からアップルのUI(ユーザーインターフェース)デザイン部門を率いてきたアラン・ダイ氏を迎え入れる。関係者によれば、同氏は今週アップルに退社の意向を伝えたとされ、アップル側ではあらかじめ離職を見込み後任の選定が進んでいたという。

    アップルは、長年インターフェース開発に携わってきたスティーブン・ルメイ氏を後任に指名した。
    ティム・クックCEOは声明で、同氏が「主要なインターフェースの設計で重要な役割を果たしてきた」と強調した。だが、2019年のジョニー・アイブ氏退社以降、同社デザイン部門の流出が続いており、今回の離脱はその流れを象徴する動きと言える。

    一方のメタは、ダイ氏の採用に合わせて新たなデザインスタジオを設立する。同氏がハードウエア、ソフトウエア、UI全般を指揮し、AI統合型デバイスの体験設計を包括的に担う体制を敷く。

    メタは近年、AIアシスタントやウェアラブル端末の開発に大規模投資を続けており、競争力の源泉をデザインに置く姿勢を鮮明にしたとみられる。

    ハード競争が再加速 ブランド強化の機会と人材流出の影響

    今回の人事は、メタにとってブランド再構築の好機となるだろう。
    AIデバイス市場では、操作性や外観といったUI設計がユーザー体験の差別化要因になりつつあり、ダイ氏の知見は製品開発を大きく押し上げる可能性がある。
    特に、AIエージェントを軸にした新カテゴリのデバイス開発では、ハードとソフトを一体で設計する力が求められるため、同氏の指揮はメタの競争優位につながると考えられる。

    一方、アップル側にはデメリットも残りそうだ。
    後任のルメイ氏は経験豊富とはいえ、象徴的存在の離脱がブランドイメージに影響する可能性は否定できない。

    今後は、AIデバイスを軸にしたハード競争が本格化する見通しだ。アップルとメタの戦略差が鮮明になるなか、両社がどこまで新規カテゴリを市場に定着させられるかが焦点となるだろう。

    両者のみならず、人材移動が加速するシリコンバレーでは、デザインを中心とした競争が今後さらに激しくなるとみられる。

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