前橋市でAI活用の地域戦略を議論 産学官金が示した地方再生モデルの現在地

2025年11月24日、群馬県前橋市で年次イベント「ぐんま未来イノベーション会議」が開催され、AIを使った地域活性化をテーマに専門家と参加者が最新事例と課題を共有した。
産学官金が連携する地方発の取り組みに注目したい。
労災予防から産業自動化まで AI活用の実例が前橋に集結
前橋工科大学で行われた会議には約150人が参加し、地域活性化に向けたAI活用の実践例が披露された。
基調講演には東京大学の中尾政之名誉教授が登壇し、労働災害の防止にAIを応用する取り組みを報告した。公演内容として、感電や墜落といった事故データを学習したAIが危険場面をイラスト化することで、従来の口頭説明より強い注意喚起につながると説明した。
また、米ロボティクス企業ヒルボットのCOO、マルティーナ・ハンセン氏は、AIとロボット技術の融合の可能性について紹介した。
参加者たちは産業現場の具体例を知ることで、AI活用の可能性を模索できたようだ。
地方のAI実装が抱える利益と負担 前橋モデルの今後を読む
前橋市の取り組みは、地方都市がAI活用を本格化させるうえでの示唆に富む。
AIが広範な地域課題をデータとして把握し、政策判断の精度を高め得る点は、今後の人材育成にプラス要因を生むだろう。特に、人口減少やインフラ老朽化の可視化が進めば、行政はより効果的な施策を打ち出せるようになるかもしれない。
また、産学官金が連携する仕組みが整えば、技術検証から導入、運用までの流れが途切れず、地域発プロジェクトを継続しやすくなるかもしれない。
一方で、AI導入には人材育成や初期投資の負担が伴う。
地方企業が外部ベンダーに依存し続ければ、コスト高や運用の停滞が起こる恐れがあるため、持続性が課題として残りそうだ。また、データ運用の透明性や住民理解が欠ければ、社会実装への抵抗感につながる可能性も否めない。
今後は、前橋工科大学を軸に地元にAI人材を蓄える仕組みを強化しながら、実証成果を地域外にも開放し、他都市との連携を広げられるかが鍵になるだろう。
前橋モデルが確立すれば、地方都市全体のAI導入スピードを押し上げる契機となると考えられる。
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