Google、「Gemini」にプレゼン自動生成機能 AIが資料構成からスライド作成まで一括対応

2025年10月28日、米Googleは生成AI「Gemini」アプリに、プレゼンテーション資料を自動生成する新機能を追加したと発表した。AIと対話して文書を整理できる「Canvas」を用い、テキストや既存資料からスライドを作成できる。
すでにWeb版で提供が始まっており、AndroidおよびiOSの「Gemini」アプリにも近日中に対応予定だ。
Geminiの「Canvas」でAIがプレゼン資料を自動生成 Googleスライド連携も
Googleが追加した新機能は、「Gemini」アプリ内の作業スペース「Canvas(キャンバス)(※)」でプレゼン資料を生成するものだ。
ユーザーがテーマや目的を入力したり、ドキュメントをアップロードすることで、関連画像を含むスライドセットを生成する仕組みである。販売概要、研究レポート、キャンペーン資料などの既存文書を活用すれば、短時間で構成が整ったプレゼンの作成が期待できる。
作成したスライドは「Google スライド」にエクスポートして編集することも可能だ。利用方法は、Geminiアプリの入力欄左端の[+]ボタンから[Canvas]を選び、AIにプレゼン作成を指示するだけとシンプルだ。
この機能はWebおよびモバイルWeb版のGeminiで先行提供が始まっており、Android・iOS版も間もなく対応予定である。
Google WorkspaceのBusiness、Enterprise、Educationなど計15エディションで展開され、11月12日までにリリース完了を予定している。
※Canvas(キャンバス):Google Geminiアプリの作業領域機能。AIと対話しながら文書やプレゼン資料を構成・生成できる編集スペースのこと。
AIが変える資料作成の常識 効率化と創造性のバランスが焦点に
Geminiのプレゼン生成機能は、ビジネス現場での資料作成を大幅に効率化する可能性がある。
従来は構成案やデザインの検討に時間を要したが、AIが提案書やレポートの骨子を瞬時に組み立てることで、担当者はより戦略的な内容に集中できるようになるだろう。特に、複数の部署や資料を横断して要約する用途では、AIの文脈理解力が有用になりそうだ。
一方で、生成内容の品質と著作権の扱いには注意が必要だ。
AIが生成する文章や画像には出典が曖昧なものもあるため、外部共有や商用利用の際は確認を要する。また、AIが作るプレゼンが均質化し、個性や創造性が失われる懸念もある。
今後は、AIが資料作成の下準備を担い、人間が最終的なストーリー設計や表現を磨く「協働型」のワークフローが主流になるだろう。
GoogleのCanvasは、オフィス文書の生産性向上と創造性の両立を試す重要な実験場にもなるかもしれない。











