新潟日報生成AI研究所、徳島新聞社と提携 AI活用で地域活性化を推進

2025年10月20日、新潟日報生成AI研究所(新潟市)は徳島新聞社(徳島市)と「地域共創 生成AIパートナーシップ協定」を締結した。両社は生成AI(人工知能)を活用して地域情報の発信力を高め、地方の価値創造と新規事業開発を共に進める方針を示した。
徳島新聞社が地域特化型生成AI導入へ 地方紙連携で全国に波及も
新潟日報生成AI研究所は、地方紙が持つ独自データを活用した「新潟日報生成AI」の提供を行っており、徳島新聞社との提携は岩手日報社、下野新聞社に続き3社目となる。
今回の協定により、徳島新聞社は「新潟日報生成AI」と同様のシステムを構築し、徳島新聞の記事データを基にした生成AIサービスを近く開始する予定だ。
新潟日報生成AI研究所が開発と営業の両面で支援し、地域特性に応じて生成AIを活用し新たな価値を創出することを目指して両社が連携していく。
締結式で徳島新聞社の池上治徳理事社長は「長年培ってきた情報ネットワークと、最先端のAI技術を掛け合わせることで、地域情報に新たな価値を創造し、徳島県の活性化に貢献できると確信している」と語り、地方発のイノベーションに意欲を示した。
徳島新聞社は日刊紙「徳島新聞」の発行に加え、デジタル版やSNSを運営している。
新潟日報生成AI研究所はエクサウィザーズと連携し、地域特化型AIの開発を進めている。
地方紙AI化の波 地域経済の活性化と報道の信頼性維持が鍵に
生成AI導入は、地方紙にとって大きな転換点になると言えるだろう。
記事生成や要約業務の自動化により、記者の負担を軽減し、取材や企画立案など創造的業務に注力できる環境が整う点は明確な利点である。
また、AIが地域データを横断的に分析することで、観光や防災、行政サービスなど地域課題に即した新たな情報発信の可能性も広がると考えられる。
一方で、AIが生成する記事の正確性や倫理面への懸念も残る。特に、報道の信頼性を支えるファクトチェックの工程をどう維持するかが課題となる。透明性の高い開発体制を整え、地域に根ざした責任あるAI利用のモデルを示すことが求められるだろう。
地方紙連携の広がりは、地域経済やメディアの再生にもつながると考えられる。自治体や企業との協働が進めば、AIを核とした地方創生エコシステムの形成も現実味を帯びてくるだろう。
今回の提携は、地方メディアがAI時代の主役として新たな存在価値を築く第一歩と言える。











