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    中国ディープシーク、実験モデル「V3.2-Exp」を公開 次世代AIへの布石

    2025年9月29日、中国のAI新興企業ディープシークは最新の実験的言語モデル「V3.2-Exp」を発表した。従来モデルより学習効率と長文処理能力を向上させつつ、API価格の大幅引き下げも実施するなど、次世代AI開発への中間ステップと位置づけられている。

    目次

    ディープシーク、次世代AIへの「中間ステップ」モデル公開

    中国のディープシークは29日、開発者向けフォーラムで「V3.2-Exp」を正式にリリースした。公式発表では「次世代アーキテクチャーに向けた中間ステップ」と位置づけられ、従来の「V3」「R1」と比較して学習効率や長文処理能力を強化した点が特徴である。

    同モデルはコンピューティングコストの消費を抑えつつ、一部性能を向上させる仕組みを搭載した。特に、長大な文章の理解・生成に優れているという。
    また同日、ディープシークは公式X(旧Twitter)で、API(※1)の利用料金を従来比で50%超引き下げると発表した。これにより、開発者や中小企業も試験的導入を行いやすくなり、エコシステム拡大への布石となる。

    「V3」「R1」に続く同社の戦略的重要製品と考えられ、中国国内外での競争力強化につながる可能性がある。

    ※1:API:外部アプリケーションがモデル機能を利用するための接続仕様。

    コスト削減と性能向上で商用化に弾みも、国際競争は難航する可能性

    「V3.2-Exp」の公開は、性能と運用コストの両立という点でメリットが大きいと考えられる。
    API価格引き下げにより、中小企業やスタートアップも生成AIの実験的導入が可能になり、市場拡大や開発者層の拡充が期待される。長文処理力が向上したことで、ビジネス用途での実用性も高まるだろう。

    一方で、実験モデルであることから、安全性や信頼性の検証は不十分である可能性があり、商用化には一定のリスクが伴う。
    また、国際市場では、オープンAIやアンソロピックなどが先行しているため、マルチモーダル(※2)対応や推論速度などの競争力差が課題となりそうだ。

    将来的に、性能向上とコスト抑制を両立させる技術が確立されれば、ディープシークは国際市場でも存在感を示せる可能性がある。

    中国AI産業全体としても、次世代モデルへの中間ステップを踏むことで、技術蓄積と商用展開の両面で優位性を獲得することが期待される。

    ※2:マルチモーダル:テキスト・画像・音声など複数データ形式を統合処理する技術。

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