米アルファベット、時価総額3兆ドル突破 生成AI期待と投資家心理が後押し

2025年9月15日、米グーグルの持株会社アルファベットの時価総額が初めて3兆ドルを突破した。生成AI(人工知能)を巡る楽観的な見方や有利な司法判断が株価を押し上げ、米ハイテク市場全体の勢いを象徴する出来事となった。
アルファベット株、AI楽観で急伸し3兆ドルに到達
アルファベットは15日の米市場で株価が急伸し、クラスA株が3.8%高の250ドル、クラスC株が3.7%高の250.4ドルで取引を終え、いずれも史上最高値を更新した。
これにより同社の時価総額はついに3兆ドルを突破し、米テクノロジー大手の中で新たな節目を迎えた。
年初来の株価上昇率は32%を超え、「マグニフィセント7」と呼ばれる米ハイテク主要銘柄の中で最良のパフォーマンスを記録している。
同業の米アップルやマイクロソフトもすでに時価総額3兆ドルに達しており、半導体大手エヌビディアは4兆ドルに到達している。
LSEGによると、アルファベット株の予想PER(株価収益率 ※)は約23倍で、マグニフィセント7の中では最も低い水準にある。過去5年間の平均PERは22倍である。
通信サービス・サブセクター全体でも、年初来の上昇率が26%を超え、11の主要サブ指数の中で最高の伸びを示している。
※PER(株価収益率):株価が1株当たり利益の何倍に当たるかを示す指標。投資判断の目安として広く利用される。
AI相場の追い風続くも、過熱リスクに警戒必要
アルファベットの時価総額3兆ドル突破は、生成AIを巡る強い成長期待を反映したものだと言える。
AIが広告や検索に与える効率化効果は収益性向上に直結し、さらにクラウド事業との相乗効果も見込まれる。
投資家にとっては、低めのPERが魅力となり、株価上昇が持続する余地は依然大きいと考えられる。
しかし同時に、過熱感への警戒も強まっている。AI開発競争はマイクロソフトやオープンAIなど強力なライバルとの消耗戦を伴い、多額の投資が利益率を圧迫するリスクがある。
さらに、欧州を中心にAI規制の議論が加速しており、法制度の変化が事業の自由度を制限する可能性も否定できない。
アルファベットにとって今後の課題は、AI投資を収益化へと確実につなげ、ブームから持続的な