コネクティ、マーケティングツール「CONNECTY CDP」にAI提案機能を実装 シナリオ設計を自動化

2025年5月29日、CMS(コンテンツ管理システム)やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を展開するコネクティは、自社のデータ統合マーケティングツール「CONNECTY CDP」に、AIによるマーケティングシナリオ自動提案機能「ゴールデンフロー提案」を追加したと発表した。
AIが最適な施策フローを自動提案 専門知識なしで運用可能に
コネクティが発表した「ゴールデンフロー提案」は、CONNECTY CDPに蓄積されたアクセスデータをAIが分析し、会員登録や資料請求などのゴールに向けた最適な施策シナリオを自動で提案する機能である。提案されたシナリオは、管理画面上でワンクリックするだけで即時反映が可能となっている。
背景にあるのは、CDPやMA(※)を導入した企業が直面していた「施策設計の複雑さ」や「実行までの時間的負担」といった課題だ。
これまで専門知識がなければ設定が難しかったマーケティングシナリオの立案を、AIが代行することで、施策の立ち上げスピードと精度を同時に高めた。
さらに、ゴールデンフロー提案に合わせて、カスタマージャーニー(※)形式でのシナリオ設計も可能になった。
たとえば「STEP1:初回訪問 → STEP2:商品閲覧 → ゴール:会員登録」といったプロセスを視覚的かつ直感的に設定できるため、運用者の理解や実装のハードルも大幅に下がると考えられる。
マーケ担当者の負担を軽減 AI活用でCDPの普及促進なるか
今回の機能強化は、AIの実用化が進む中でのCDP活用のハードルを下げる一手となる。従来は施策立案や分析に高度なノウハウが求められ、特に中小企業ではリソース不足が導入障壁となっていた。
しかし、AIによる自動提案が加わったことで、マーケティング初心者でも即時に戦略を実行できる環境が整ったと言える。
また、直感的なUIやシナリオフローの可視化により、属人化しがちだった業務の標準化も進むと期待される。これは社内ナレッジの共有や人材育成の観点からも大きな利点となる。
さらに、AIがユーザーの行動ログを常時分析することで、シナリオの最適化が自動的に行われる仕組みも見逃せない。
一方で、すべてをAIに委ねることのリスクも無視できない。提案された施策の妥当性や企業独自のトーン&マナーへの適合性など、人の目による確認や微調整は依然として重要だ。
今後は、AI提案と人間の判断を融合させた「半自動化マーケティング」が主流になる可能性がある。今回のアップデートは、CDPの真価をより多くの企業が引き出すための転換点となり得る。
※MA(マーケティングオートメーション):顧客データの管理やメール配信、行動追跡などを自動化するマーケティング支援ツールの総称。
※カスタマージャーニー:顧客が製品やサービスに接触してから購買に至るまでの一連の行動プロセス。マーケティング戦略立案の基本視点となる。