葉山在住の桐島ローランド氏、生成AI活用セミナーを逗子で開催 市民60人が熱心に参加

2025年5月29日、神奈川県逗子市の逗子文化プラザ市民交流センターで「桐島ローランドさんと学ぶ!初心者のための生成AI活用セミナー」が開かれた。地元在住の写真家・桐島氏が講師を務め、会場には定員を超える60人超が集まり、生成AIへの高い関心がうかがえた。
地域住民対象のAIセミナーに定員超の応募殺到
セミナーは、逗子文化プラザ市民交流センター副館長の本藤太郎氏の発案で実現した。同氏は「昨年ごろから、市民の皆さんから生成AIについて教えてほしいという声が増えていたこともあり、セミナーを考えていたところ、桐島さんとの出会いがあった」と語った。告知直後に定員に達し、追加で席を設けるほどの盛況となった。
桐島ローランド氏は、2023年に曽祖父の別荘があった葉山に移住。長年にわたりカメラマンとして活動してきたが、自分の仕事もAIに代替されつつあると語りつつも、ChatGPT、Sora、Google Geminiなどのツールを日常的に使いこなしているという。
セミナーでは「AIは道具にすぎない」としたうえで、プロンプト(指示文)の工夫や、実際の活用法を具体的に紹介した。
質疑応答では「著作権リスクを考慮した顔写真生成」「日常的なAI利用の拡張性」など、生活に密着したテーマが挙がり、参加者の関心の高さがうかがえた。
セミナー後のアンケートでは「やってみようという気持ちになった」といった前向きな声が寄せられた。「チラシ作成など実用的な使い方を知りたい」との要望も多く、今後の講座継続を望む声もあった。
桐島氏自身も、「自分のカフェでも少人数でやっていこうかな」と話し、地域密着型の継続的な教育活動に意欲を示した。
地域から広がるAIリテラシー 「共創」の芽を育む市民講座の可能性
今後、このような市民向けAI講座は、地域社会におけるテクノロジー教育の起点として機能していく可能性がある。特に逗子・葉山のような自然豊かで地域連携の強いエリアでは、「AI×地域文化」「AI×高齢者支援」といった独自の展開が期待される。
講師の桐島氏が述べた「カフェでの少人数勉強会」の構想は、学びのハードルを下げる有効な手段になり得る。カジュアルかつ対話重視のスタイルが、AI教育の持続性と自発性を育む起点となるだろう。
ただし、生成AIの進化速度は非常に速いため、講座内容がすぐに陳腐化するリスクも高い。したがって、地域内外の専門家や教育機関との連携、あるいはアップデートを前提とした柔軟なカリキュラム設計が鍵になると考えられる。
また、今後は小中高の教育現場や地方自治体の政策においても、AIリテラシー育成が不可避となる流れが強まるだろう。その意味で、今回のような草の根的な試みは、次世代の「共創社会」の雛形として注目すべき取り組みと位置づけられる。