ソニーがAI楽曲の学習元を可視化 著作権対価請求へ

ソニーグループがAI生成音楽の学習元となる楽曲やミュージシャンを特定する技術を開発したと報じられた。
音楽生成に用いられた既存曲を分析し、どの作品がどの程度利用されたかを割合で示せる点が特徴である。
AI楽曲の学習元を可視化
2026年2月16日、ソニーグループが、AIが生成した音楽の学習元となる楽曲を特定する技術を開発したことが報じられた。
この技術は、AIが学習や生成に用いた楽曲やミュージシャンを特定し、どの作品がどの程度利用されたかを割合で示せる点が特徴である。
分析方法は二つあり、AIの基盤モデルから直接データを取得する手法と、生成された楽曲と既存曲を比較して学習元を推定する手法があるという。
生成AIの普及に伴い、著作物の無断学習が国内外で問題視されてきた。従来は学習過程がブラックボックス化しており、利用実態の把握が困難だった。
今回の技術は、その不透明性を一定程度解消する試みと位置づけられる。
ソニーは今後も研究開発を進める方針だ。
生成AIの学習可視化が問う音楽産業の再設計
本件の最大のメリットは、生成AIの学習過程を検証可能な領域へ近づける点にあるだろう。
学習元や利用割合が可視化されれば、対価請求やライセンス交渉の前提が整い、創作物の無断利用に一定の抑止力が働く可能性がある。
一方で、基盤モデル内部の詳細開示には企業秘密や安全保障上の制約が伴うと言える。
検証が不十分であれば、可視化自体の信頼性が争点化しかねない。
さらに、統計的学習と独自生成の境界は曖昧であり、過度な定量化が創造性の本質を単純化する懸念も残る。
今後の焦点は、技術を制度や業界慣行へどう接続するかに移ると考えられる。
標準契約やデータ利用指針が整備されれば、新たなライセンス市場が形成される余地もある。
もっとも国際的な協調が欠ければ実効性は限定的となる可能性が高い。
可視化を起点に、著作権やAI規制の枠組みが見直される展開が想定されそうだ。
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