SAPIX小学部、Monoxer活用へ AIで記憶定着を50校舎展開

首都圏を中心に展開するSAPIX小学部が、AI学習プラットフォーム「Monoxer」を導入した。発表はモノグサ株式会社によるもので、日本国内の全50校舎に通う小学4年生以上を対象に、自学自習の質向上と記憶定着の強化を図る。
SAPIX小学部、AI教材で自学自習を高度化
2026年2月9日、中学受験で高い合格実績を持つSAPIX小学部は、記憶定着に特化した学習プラットフォーム「Monoxer」を導入した。
運営元であるモノグサ株式会社は、日本入試センターが運営するSAPIX小学部の生徒向けに、2026年2月からMonoxerの提供を開始する。
MonoxerにはSAPIX小学部のオリジナル教材が搭載され、教材内容に即した問題をAIが自動生成する。
生徒一人ひとりの理解度や記憶状況を分析し、適切な難易度と出題タイミングを調整するアダプティブラーニング(※)が中核となる仕組みである。
これにより、既習範囲の復習を進めやすくし、基礎知識の記憶定着や学習成果の向上を支援する狙いだ。
さらに、学習履歴や記憶定着度が可視化される点も特徴だ。
生徒自身が弱点を把握できるだけでなく、保護者もアプリ上で進捗を確認できるため、家庭学習の状況を客観的に共有できる環境が整う。
同社によると、対象はSAPIX小学部の全50校舎に在籍する小学4〜6年生で、国語・算数・理科・社会の4教科を中心に自学自習の質向上と記憶定着の支援を目指す。
利用は希望制としている。
※アダプティブラーニング:学習者ごとの理解度や記憶定着の状況をAIが判定し、適した難易度の問題を提示する学習手法。
AIは補助輪か、主役か SAPIX×Monoxerの分岐点
本件のメリットは、対面授業を中核とするSAPIX小学部の指導に、AIを用いた個別最適化学習が補助線として組み込まれた点にあると考えられる。
集団授業で理解した内容を、Monoxerによる反復と可視化で定着させる構図が明確になり、生徒自身が弱点を把握しやすくなる可能性がある。
自学自習を単なる作業量ではなく、質で管理する方向へ転換する契機となり得そうだ。
一方で、デジタル学習への比重が高まることによる副作用も想定できる。
AIが最適解を提示する学習が常態化すれば、試行錯誤や遠回りといった思考過程が省略される懸念は残る。
特に中学受験で求められる応用力や粘り強さは、反復だけでは補いきれない側面もあり、運用次第では主体性の低下を招く可能性がある。
今回の導入は、塾業界におけるAI活用の一つの到達点を示す事例になるとみられる。
今後は、記憶定着データが授業設計や教材改訂にどこまで反映されるかが重要になるだろう。
AIを補助輪として機能させ続けられるかが、成果を左右する分かれ目になると考えられる。
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