バクラク経費精算、AIで申請不備を検知 「AI申請レビュー」提供開始

2025年12月26日、株式会社LayerXは、AIが経費申請の不備をリアルタイムで検知・指摘するAIエージェント機能「AI申請レビュー」を、「バクラク経費精算」で全ユーザーに提供開始したと発表した。
経費精算における手戻り削減と業務効率化を狙う。
AIが申請前に不備を指摘 経費精算の手戻り削減へ
LayerXは2025年12月26日、同社のAI経費精算サービス「バクラク経費精算」において、AIが申請不備をリアルタイムで検知・指摘し、規程に照らして不備をフィードバックする「AI申請レビュー」を全ユーザーに提供開始した。
申請後の差し戻しではなく、申請時点での修正を促す点が特徴である。
背景には、同社が実施した調査で、9割以上の企業が経費精算の差し戻しや修正を恒常的に抱えている実態が明らかになったことがある。
主因は金額の入力ミスなどの単純なミスよりも、「会社独自の規程に関する不備」に起因するものだった。
これまで経理部門は、マニュアル整備や個別指摘といった人的対応に依存せざるを得ず、業務負荷と心理的負担が蓄積していた。
今回のアップデートでは、管理画面のUIを刷新し、AIレビュー条件を直感的に設定できるようにした。
加えて、設定したルールが意図通りに動作するかを事前検証できる「テスト機能」を実装しており、ITやAIの専門知識がなくても自社規程をAIに反映できる設計となっている。
LayerXは、AIエージェントによる「業務自動運転」の実現を掲げており、本機能はその具体例の一つだ。
実際、導入企業である株式会社タイミーでは、経費精算の締め作業を1営業日短縮した実績が示されている。
経費精算から広がる「事前支援型AI」の可能性
本件のメリットは、経費精算における確認行為を「事後の是正」から「申請時の支援」へと移行させた点にあると考えられる。
申請段階で不備や規程逸脱を示す仕組みが定着すれば、差し戻しによる往復作業は減少し、申請者・承認者・経理の負荷を同時に軽減できる可能性がある。
企業ごとに規程を反映できる点も、チェック品質の平準化に寄与するだろう。
一方で、規程判断をAIに委ねることへの依存が進み過ぎれば、運用面での硬直化を招く恐れもある。
設定が不十分な場合、過剰な指摘や誤判定が業務を滞らせることも考えられる。
例外処理やグレーゾーンへの対応は引き続き人の判断が不可欠であり、AI判定を絶対視する文化が根付けば、現場の柔軟性が損なわれる可能性は否定できない。
今後は、経費精算に限らず、稟議や購買、勤怠など周辺業務へ事前レビュー型AIが広がる展開が見込まれる。
その際の鍵は、AIが結論だけでなく理由を説明できるかどうかにあるとみられる。
判断根拠の可視化や検証機能が整えば、AIは単なる効率化ツールではなく、バックオフィスを支える基盤として定着していく可能性が高いだろう。
関連記事:
タイミー、経費精算をAIで効率化 申請不備を防ぎ月次締めを1日短縮

LayerX、AI「領収書分割エージェント」をバクラク経費精算に実装

経費精算をAIが事前審査 マネーフォワードが申請・承認を効率化












