面白法人カヤック、生成AIで「おせちゲーム」9作を即興制作 調理と並行した開発挑戦を公開

面白法人カヤックは、生成AIを活用し「おせち料理」を題材にしたハイパーカジュアルゲーム9タイトルを制作したと発表した。
完成作は2026年元日に公開予定で、制作過程を収めたメイキング動画も12月24日から公式YouTubeで公開している。
生成AI活用、おせち題材のゲーム9作を元日公開
24日、面白法人カヤックは、生成AIを活用し「おせち料理」を題材にしたハイパーカジュアルゲーム9タイトルを制作したと発表した。
本企画は、カヤックが毎年元旦に実施している年始企画「お年賀プロジェクト」の2026年企画の一環として行われた。
今回は「本物のおせち8品を調理しながら、その料理を題材にゲームを制作する」という前例のない開発チャレンジに取り組んだ。
制作現場では、キッチンでおせちを仕込む約5時間と並行し、同社のハイパーカジュアルゲームチームがブレインストーミングを実施。
「筑前煮」「数の子」「伊達巻き」などをテーマに、その場で企画を立ち上げ、生成AIを用いて即座に実装を進めた。
完成したのは、物理パズル、クリックゲーム、アクション、ノベル、放置バトルなど多ジャンルにわたる計9タイトルである。
食材の特徴やイメージ、語感を「ゲーム的」に大胆に再解釈し、短時間で多ジャンルの9タイトルを制作した点が特徴といえる。
制作過程を約5分に凝縮したメイキング動画は、同日よりカヤック公式YouTubeで公開した。
完成した「ハイパーカジュアルおせちゲーム」は、2026年1月1日0時からカヤック公式サイト内で無料公開される予定で、年始の挨拶企画として展開される。
量産より検証へ、AI活用の現実解
本企画は単なる話題づくりにとどまらず、生成AIを量産手段ではなく、企画検証の加速装置として位置付ける試みとしても読み取れそうだ。
今回の取り組みのメリットは、制約の多い状況下でも成立する高速開発モデルを具体的に示した点にあるだろう。
生成AIを企画から実装まで一貫して活用することで、短時間でも複数の試作を成立させられることが可視化できたとみられる。
特に試行回数が成果に直結しやすいハイパーカジュアルゲームでは、検証速度の向上が企画精度を高める要因になるだろう。
一方で、即興性を前提とした制作手法には課題も残りそうだ。
短期的に遊べる形を整えるには適しているが、長期運営を見据えた品質管理やバランス調整、権利・セキュリティ面まで同じ密度で担保できるかは不透明だと考えられる。
開発速度が上がるほど、検証不足が表面化しにくくなるリスクも否定できない。
今後は完成品の量産よりも、企画検証の高速化手法として定着していく可能性が高い。
社内イベント向け施策や広告キャンペーン用ミニゲームなど、目的と寿命が明確な領域で活用が広がる展開が想定できる。
制作初期工程の再設計モデルとして、業界内で参照されていく局面を迎えるかもしれない。
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