LINE Pay解散へ LINEヤフーが2026年に吸収合併

LINEヤフー株式会社は、完全子会社のLINE Pay株式会社を2026年3月31日付で吸収合併し、同社が解散すると発表した。
LINE Payの国内モバイル送金・決済サービスは2025年4月30日に提供を終了しており、同社は金融領域で進めてきた経営資源の選択と集中の一環として、グループ管理体制の効率化を目的に本件を実施するとしている。
LINE Pay株式会社を吸収合併、2026年3月に解散
23日、LINEヤフーは取締役会決議に基づき、2026年3月31日を効力発生日として、LINE Pay株式会社を吸収合併することを発表した。
存続会社はLINEヤフー、消滅会社はLINE Pay株式会社となり、同社は解散する。
本件は完全子会社を対象とした簡易合併および略式合併であり、両社とも株主総会での承認を要しない。
合併の目的について、同社はグループ管理体制の効率化を挙げている。
LINE Payが担ってきた日本国内向けモバイル送金・決済サービスは、事業環境の変化などを踏まえ、2025年4月30日をもってすでに提供を終了している。
同社は、当該事業を担っていた完全子会社であるLINE Pay株式会社について、グループ管理体制の効率化を目的として本吸収合併を実施するとしている。
なお、LINE Pay株式会社は完全子会社であるため、合併に際して株式や金銭などの割当ては行われない。
LINE Pay株式会社は新株予約権および新株予約権付社債を発行していない。
また、同社は本吸収合併による連結業績への影響は軽微としている。
金融事業再編の先にある「統合モデル」
今回の吸収合併・解散による最大のメリットは、事業実体を持たない法人を整理することで、グループ全体の管理負荷やガバナンス対応を軽減できる点にあるとみられる。
組織構造が簡素化されれば、意思決定のスピードや内部統制の明確化が進み、経営資源を成長分野へ再配分しやすくなる可能性が考えられる。
成熟期に入ったキャッシュレス市場においては、効率を重視した経営判断が、一定の合理性を持つ選択として受け止められる余地がありそうだ。
一方で、選択肢の集約は競争環境の緊張感を弱めるリスクも伴うと考えられる。
利用者や加盟店にとっては、サービスの多様性が縮小した印象を受ける恐れがあり、条件面や利便性の改善ペースが鈍化する可能性もある。
また、LINE Payが担ってきた実証的な取り組みや独自性が、再編の過程でどこまで活かされるのかは見えにくく、挑戦的な施策が後退する懸念も残りそうだ。
今後の焦点は、金融領域を単体事業としてではなく、他サービスと連動する基盤機能としてどう再構築するかに移るだろう。
決済を起点に、IDやデータ活用、周辺サービスとの統合が進めば、収益モデルの安定化につながる可能性がある。
今回の再編は、そのための前段階と位置付けられるかもしれない。
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