MWM、英Re7と戦略提携 DAT運用高度化で日本向け暗号資産運用を強化

AIフュージョンキャピタルグループ傘下のミライウェルスマネジメントは23日、英国の暗号資産投資会社Re7 Capitalと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
DAT運用の高度化を通じ、日本向け暗号資産運用の強化を図る。
MWMとRe7が戦略提携 DAT運用の高度化へ
23日、AIフュージョンキャピタルグループ傘下のミライウェルスマネジメント(MWM)は、英国の暗号資産投資会社Re7 Capitalと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
MWMは、AIフュージョンキャピタルグループの暗号資産事業を担う子会社で、デジタル資産トレジャリー(DAT)の運用や暗号資産プレミアムレンディングサービス「RENKIN」を展開している。
Re7は、DeFi(分散型金融)による利回り運用と、流動性の高い資産を用いたアルファ戦略(※)を専門とする暗号資産投資会社で、世界の機関投資家や富裕層を顧客に約10億米ドルの暗号資産投資実績を有するとしている。
MWMによれば、Re7は「Hedgeweek Global Digital Assets Awards 2025」で年間最優秀ファンドを含む2部門を同時受賞したほか、「The Digital Banker 2024」でも分散型金融イールド・ファーミング賞を受賞したという。
本提携では、MWMが持つ国内事業推進基盤や規制対応力と、Re7の実績ある投資戦略を組み合わせる。
MWMは、運用先パートナーとしてRe7を選定することで、DAT事業における保有資産の運用高度化に加え、グローバルな暗号資産運用ソリューションを日本の投資家に提供できる見通しだ。
一方でMWMは、Re7が同社を介して国内市場に合わせたコンプライアンスおよびリスク管理体制を活用し、日本における新たな資金源へアクセスできるとしている。
※アルファ戦略:市場全体の値動きに左右されにくく、運用者の分析力や独自手法によって超過収益を狙う投資戦略。
提携が試す、暗号資産運用の次の標準
今回の提携は、日本の暗号資産運用市場において、運用の高度化と規制順守を両立させようとする動きとして評価できる。
海外で実績を持つ投資戦略を国内制度の枠内に組み込むことで、これまで一部に限られていたプロフェッショナル運用の選択肢が広がる可能性がある。
機関投資家水準のリスク管理やアルゴリズム運用が国内投資家にも開かれれば、市場全体の成熟を後押しする契機となりそうだ。
一方で、海外戦略の導入は、市場急変時の対応力や情報開示の透明性について、従来以上に高い水準が求められる可能性がある。
規制環境や投資慣行が異なる中で、戦略をどこまで国内向けに最適化できるかについては、不透明さが残る局面もありそうだ。
想定外の相場変動時には、説明責任や運用判断の妥当性が、継続的に検証される場面が生じる可能性も考えられる。
それでも、同月にAIフュージョンキャピタルグループが進めてきたBitGoとの戦略的パートナーシップや、DATコンサル事業の流れを踏まえれば、本件は中長期的な運用基盤強化の一環として位置付けられる可能性が高そうだ。
安定的な利回り設計と管理体制が実績として積み上がっていけば、日本の暗号資産運用は、投機中心の段階から、管理型・戦略型へと移行する転換点を迎えることになるかもしれない。
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