KLabがAI音楽専門レーベル設立 AIアーティスト「紗奈 | SANA」デビュー、楽曲「New ME」配信開始

KLabはAI音楽専門レーベル「KLab AI Entertainment」を設立し、第1弾アーティスト「紗奈 | SANA」がデビューしたと発表した。
公式楽曲「New ME」とMVを公開し、Apple MusicやSpotifyなど主要音楽プラットフォームで配信を開始する。
KLab、AI音楽レーベル創設と第1弾アーティスト投入
KLabは23日、生成AIを中核に据えた音楽レーベル「KLab AI Entertainment」を新設し、第一弾としてAIアーティスト「紗奈 | SANA」のデビューを発表した。デビュー曲「New ME」はミュージックビデオ(MV)を発表するとともに、YouTubeで公開し、Apple MusicやSpotifyなど主要音楽プラットフォームで配信を開始する。
背景には、米国でAI生成楽曲がチャート上位を獲得する一方、日本では同様の事例が乏しいという市場環境がある。音楽生成AIを巡っては、海外で大手レコード会社が音楽生成AI大手のSUNOを訴える動きがあるなど、AI音楽を巡る議論が続いている。
KLabはこうした「テクノロジーのジレンマ」を、参入機会と捉えた。
同社は、ゲームで培った企画・運営力とAI技術を掛け合わせることで、新しい音楽マーケットの開拓を目指し、AI音楽専門レーベルを設立したとしている。
今後はジャンルや表現手法の異なる複数のAIアーティスト展開を視野に入れている。
KLabのAIアーティストによるビジネスモデルは、ライブやファンクラブ、グッズ販売といったさまざまな展開を予定している。
AI音楽レーベルが切り開く新たな創作と市場の行方
AI音楽専門レーベルの立ち上げは、制作コストや制作期間の大幅な短縮につながる点が大きな利点となり得る。
人材やスタジオに依存しない制作体制が確立されれば、これまで事業化が難しかったニッチジャンルや実験的な表現にも挑戦しやすくなりそうだ。
複数の収益導線を想定したビジネスモデルは、AIアーティストの収益機会を拡張する可能性もある。
一方で、著作権や学習データの取り扱い、AIと人間の創作領域をどう線引きするかといった課題は残り続けるだろう。
評価基準が定まらないままでは、業界内外で認識のずれが生じる恐れもある。
特に日本市場では、リスナーの受容性や既存のチャート制度との整合性が今後の論点となりそうだ。
それでも、技術革新を強みとしてきた企業が音楽分野に本格参入した意義は小さくないと考えられる。
AIを前提とした制作手法が浸透すれば、アーティスト像や制作フローそのものが再定義される可能性もある。
今回の取り組みは、次世代エンターテインメントの方向性を占う動きとして注目できそうだ。
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