Xキャンペーンの報酬にJPYC 「echoes」で即時付与の選択肢

2025年12月19日、JPYC株式会社は、アライドアーキテクツが提供するXキャンペーン支援ツール「echoes」で、日本円建ステーブルコイン「JPYC」をインセンティブとして利用できる新機能を開始した。
企業のキャンペーン運用において、ブロックチェーンを用いた報酬付与の手段が広がる形だ。
Xキャンペーン報酬にJPYC対応、即時付与を実現
JPYC株式会社は19日、アライドアーキテクツ株式会社が提供するXキャンペーン支援ツール「echoes」と、日本円建ステーブルコイン「JPYC」をキャンペーンインセンティブとして活用できる機能を提供開始したと発表した。
従来のポイント付与や物理賞品の発送に代わり、JPYCをインセンティブとして付与できる点を特徴とする。
JPYCは、日本円と1対1で価値が連動するデジタル通貨であり、少額でも迅速に送金できる。
今回の連携により、echoesを導入する企業は、当選者に対して数秒から数分で報酬を届けられるようになる。
住所入力や賞品配送を伴わない設計となり、運用面の負担軽減が見込まれる。
両社は、echoesが累計400社以上に導入されていると説明している。
また、今回の取り組みは、同社調べ(2025年12月19日時点)で国内初の「ステーブルコイン活用型マーケティング事例」だという。
まずは小規模な実証実験型キャンペーンから開始し、ユーザー受容性や運用面の検証を重ねたうえで段階的に拡大する方針が示されている。
今後は、ユーザーフィードバック等を踏まえつつ、2026年以降、より多くの利用者に少額のJPYCを配布するキャンペーンへ段階的に拡大する方針だ。
※ステーブルコイン:法定通貨などの価値に連動するよう設計され、価格の安定性を志向するデジタル資産の総称。
ウォレット体験が左右するWeb3報酬の行方
本連携のメリットとして考えられるのは、企業が1円単位で柔軟にインセンティブを設計できる点にあるとみられる。
少額報酬を多数配布する施策が現実的になれば、参加の心理的ハードルは下がり、キャンペーン全体の接触回数やブランド想起の底上げにつながる可能性がある。
即時付与という特性も、体験価値を高める要因として作用しそうだ。
一方で、受け取りにウォレットを必要とする点は、暗号資産に不慣れな層にとって依然として障壁となり得る。
案内や体験設計を工夫しても、仕組みへの理解が追いつかなければ利用は限定的になる懸念が残る。
企業側にとっても、問い合わせ対応や運用負荷が想定以上に膨らむ可能性は否定できない。
今後は、ウォレット利用の導線をどこまで簡素化できるかが普及の鍵を握るとみられる。
体験を通じた理解が進めば、ステーブルコイン報酬は先進的な試みにとどまらず、一般的なデジタル施策へ波及する可能性がある。
ただし、規制動向や利用者の受容度を見極めながら、実証を重ねつつ慎重に展開していく段階が続くだろう。
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