メルカリ売上金を即時出金 メルペイとみんなの銀行が無料連携

2025年12月18日、メルペイはフリマアプリ「メルカリ」の売上金を即時かつ手数料無料で出金できる新サービスを開始した。
みんなの銀行と連携し、売上金の出金や残高確認などをメルカリアプリ内で行える仕組みを通じて、よりシームレスな金融体験の提供を目指す。
メルカリ売上金、即時・無料で銀行出金が可能に
メルペイは18日、みんなの銀行との業務連携により、「メルカリ」の売上金を即時かつ手数料無料で出金できる新サービスを開始した。
対象となるのは、みんなの銀行口座を開設し、API連携を行う「メルカリバンク」(メルペイとみんなの銀行口座をつなぐ登録サービス)の登録者である。
これにより、従来は振込申請から最短でも1営業日を要していた売上金の出金が、リアルタイムで可能になった。
メルペイはこれまで、コード決済やiD決済などの決済手段に加え、後払い決済サービス「メルペイスマート払い」や「メルカード」を提供してきた。
今回の新サービスは、こうした既存の決済・与信機能に加え、売上金を即時かつ手数料無料で銀行口座へ移動できる出金機能を新たに組み込んだ点が特徴となる。
具体的には、連携したみんなの銀行口座の残高がメルカリアプリ内の「おさいふ」タブに表示され、「メルペイ」へのチャージや「メルカード」の清算に利用できる。
売上金の出金に加え、残高確認やチャージ、カード清算までを一連の流れとして利用できる点が特徴だ。
非金融アプリが資金管理の起点になる時代
今回の連携がもたらす意義は、フリマ取引で得た売上金を、金融サービスを意識することなく日常の資金管理に組み込める点にあると考えられる。
売上金が即座に銀行残高として可視化され、決済や生活費に使えるようになれば、「フリマで稼ぐ」「銀行で管理する」といった行為の境界は薄れていく可能性がある。
非金融アプリが資金管理の起点となる体験が定着すれば、メルカリを起点とした経済圏への依存度も高まっていくと想定できる。
一方で、即時・無料出金の恩恵が、みんなの銀行口座の開設と連携を前提としている点は課題となりそうだ。
新たな銀行口座を増やすことへの抵抗感が、一定のユーザー層で利用拡大を鈍らせるとも考えられる。
とは言え今後は、こうしたBaaSを活用した金融連携が、他のフリマや非金融サービスにも広がっていくだろう。
アプリを起点に資金管理まで完結する体験が一般化すれば、利用者は銀行そのものより「どのサービス経由で使うか」を重視するようになるかもしれない。
フリマアプリが日常的な金融行動の入口となる流れは、今後も強まっていくとみられる。
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