AI顔認証FaceMeとGravioが連携、映像セキュリティをノーコードで業務接続

2025年12月17日、サイバーリンクとアステリアは、AI顔認証「FaceMe Security」とノーコードAI/IoT基盤「Gravio」の連携を発表した。
顔認証結果を業務システムへ即時連動させる仕組みを、専用開発なしで構築できるとしている。
AI顔認証「FaceMe Security」と「Gravio」がノーコード連携を開始
17日、サイバーリンク株式会社とアステリア株式会社は、AI顔認証セキュリティシステム「FaceMe Security」と、ノーコードAI/IoTプラットフォーム「Gravio」の連携開始を発表した。
これにより、顔認証の結果を業務システムへ即時連動させる仕組みを、専用開発なしで構築できるようになる。
FaceMe Securityは、カメラ映像をクラウドへ送信せず、エッジPC上で解析する設計を採用する。
オンメモリ処理(※)により、プライバシー保護と高速処理を両立し、歩行中でも認証可能なウォークスルー認証を実現している。
一方、GravioはSlackやTeams、kintoneなど60種以上の外部サービスとノーコードで接続できる点が特徴だ。
認証結果の即時通知やデータ分析などをノーコードで連携でき、現場に合わせた自動化を実現するとしている。
両社によると、少子高齢化による人手不足や、防犯・安全管理の高度化が進む中、映像データを「見る」だけでなく、業務アクションにつなげる需要が高まっているという。
今回の連携は、そうした現場課題に応える取り組みと位置付けられる。
両社は今後、スマートシティやスマートファシリティ、リテール分野への展開を視野に入れるとしている。
※オンメモリ処理:HDDへの書き込みやクラウド通信を介さず、メモリ上でデータ処理を完結させる方式。
エッジAI×業務連携がもたらす次の展開
本連携の強みは、AI顔認証を単なる「検知」にとどめず、実際の業務アクションまでつなげた点にあると考えられる。
FaceMe Securityはエッジ処理を前提としており、クラウドに依存せずに即時性とプライバシー配慮を両立できる仕組みとなっている。
これにGravioのノーコード連携が加わったことで、通知や記録といった業務フローへの組み込みがより容易になる可能性が高い。
現場主導で設計できる点は、導入ハードルを下げる効果につながるだろう。
一方で、顔認証は社会的合意や説明責任が不可欠な技術であり、ノーコード化による「手軽さ」が適切な運用を自動的に保証するわけではないとみられる。
目的やルールが不明確なまま活用が進めば、不信感を招く恐れも否定できない。
今後は、「映像を確認するDX」から「映像を起点に業務が動くDX」への転換が進むと考えられる。
人手不足が深刻化する中、認証結果をトリガーに入退室管理や記録を自動化する仕組みは、施設管理やリテール分野で広がりそうだ。
特に、エッジAIとノーコードの組み合わせは、高いセキュリティ要件を持つ現場ほど評価されるだろう。
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